mother,father,sister and brother. 母よ、父よ、妹よ弟よと呼ぶ声はどこか無気力で、これから囲む皿(食卓)が安寧をもたらすかは不明瞭だ。 <我が子は大切だよ 他人の子よりも> <みんな賛成だよ> <友達だものね> 同調圧力。 <mother,father,sister an…
砂漠を吹く乾いた風のようなパイプの音。 オリエンタルな鐘(銅鑼?)がリズムを刻み、我々は異次元の世界に連れて行かれる。 ロレリッツァー ソーウーワー ロレリッツァーー ラッアーー 民族音楽という言葉が頭に浮かぶ。 しかしこの、何語か分からない(おそ…
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『Wether Report』の中には、同じフレーズを使っているが歌詞が全く違う、対のような曲が2つある。 『砂漠』と『大砂漠』 『投擲』と『脱皮後』 砂漠、アラビア。 サハラ砂漠。 砂以外になにも存在のない、寂しい場所を風が吹き抜ける。 『気球』から風景を…
全21曲、トータル70分、1トラック。 曲調はポップな物も多いのに、魅せ方についてはポップさをかなぐり捨てた『Wether Report』。 「聴く人を選ぶ」と言ってしまえば簡単だが、それでは少し語弊を感じる。 「普通とは違う事をやってる音楽を選んだ人に聴いて…
きみは息をしている。 さようならを二度聴いて 痛めつけられた記憶があって 無感動と孤独のダンスに拍手を送った 温かみのあるオレンジ色のジャケットに反して、その中身は、悲観的で冷笑的な、どれも辛さを少しずつ伴う曲たちだった。 でも、素晴らしかった…
<わたしの聖域に入っておいで> これが『Ave Materia』のテーマだったのかなぁ。 そんな神々しさを感じる。 そこにあるのは赦しのような、安らぎのような。 崇高なものだなんて思いたくない。 ただの音楽。 ただのロック。 なのに、なぜ。 初めて聴いた時の…
People In The Boxの全曲感想だなんて、なぜそんなにこだわるんだ。 他にも好きなアーティストはたくさんいる。 好きな曲はたくさんある。 でもなぜ、People In The Boxなんだ。 偏執の自覚はあるのだが、他のアーティストと違うのは、自分のパーソナリティ…
<清潔な流し台を鮮血が走る> 『みんな春を売った』から続く物々しさが、『市場』でもむき出しになる。 甲高いブレーキ音のような弦が響く、だけど音楽のブレーキはかからない。 リフレインするギターのラインは思ったよりキャッチーだが、音のリズムと言葉…
春。 青春。 売春。 意味深なタイトル。 ゆえに人と「『みんな春を売った』っていう曲、好きなんだよね。」とは話しづらいから。 だから、読む音楽で残す。 自分はこの曲が好きだ。 <ゆうべ からだを売ってみたんだ こころを切り離すために> 抽象的なイメ…
『割礼』の歌詞で初めて「物質」というワードが出て来る。 (曲名『物質的胎児』は除く) 物質の洗礼、東京。 言い得て妙な都会の形容。 <あの東京にも原始時代はあった>と、物で溢れる首都をフラットな場に引きずり下ろすクールな一撃。 「割礼」ユダヤ教の…
カントリーソングのような、懐かしみのある、温かいギターの音色がする。 <哲学者の友達はきびしかった 遂にぼくを許してくれなかったけど 嘘だけは絶対につかなかった "ついていい嘘なんてあるわけがない" 死んでしまってからも ぼくはそれを誇りにおもう…
<あんぜんな みどりむし> 初めて聴いた時、このワンフレーズにやられた。 頭の中にぐるぐると残り続けたこの歌詞が、どうやらとても衝撃的だったみたい。 安全でないミドリムシってあるのだろうか? そもそもミドリムシの形容詞として「安全な」って普通じ…
<球体に守られて 誰もが痣だらけ> 痣、という鈍色の単語に想起されるような、錆ついたドラムの音で始まる。 "球体"に守られているにも関わらず、痣だらけで守られていないと言う、矛盾と皮肉を音楽で包んだシュルレアリスム的歌詞世界が我々を引き込む。 …
<ひとがいうには 「すぐに治るよ きみのこころは 仲間の待つ仕事に戻れよ 今日のところは」 もしかしたら そうかもね みんないうなら そうかもね> この歌詞を聴く時、読む時、書き起こす時。 なんていい歌詞なんだと思う。 <きみ>のこころは多分、治らな…
www.cinra.net CDベースの時代とサブスクの時代を比較すると、お金の流れ方が変わったんです。そのことによって、これまで稼げていた人が稼げなくなった。それによって「サブスクでは稼げない」という言論が生まれていると思います。 目に見えない物の価値は…
2022.10.16 People In The Boxの正弦定理 追加公演 前半 レビュー 後半 創作活動に関する所感 1:Alice ギターの「ジャッ、ジャッ」という音が響いた瞬間、鳥肌が立った。 「揺れる日傘」という甘い響きから、この世界に落とされて行く感覚が大好きだ。 2…
5月6日 渋谷O-EASTPeople In The BoxのS字曲線 旧市街 火曜日 笛吹き男 6月の空を照らす 見えない警察のための あなたの中の忘れた海 汽笛 ブリキの夜明け サイレン いきている 新曲(bran new world) 風景を一瞬で変える方法 ニムロッド スルツェイ JFE ・火…
●問題発生です 照明がついた瞬間、雨が光った。思ってたよりもたくさん雨が降っていて、びびる。構わず始まる演奏、赤紫のライト。明るみになったレインコートの観客が揺れ始める。東京のド真ん中で雨ざらしになって音楽を聴く、なんとサイコな事やってんだ…
2021.12.7 波多野裕文ソロ 会場+配信 ソロアルバムを実は持ってない。 手に入れるタイミングを逃した。 再販も無いみたいだし。 たまたまメルカリに出てたのを見たけど、すでに売れてた。 1日で売れたっぽい。 凄いなぁ。 需要は確実にあるので再販、してく…
※セトリは覚えてる範囲です。 ぐっとなったのはミネルヴァ、一度だけ、潜水 ミネルヴァ、格好良すぎる。 「締め付けるワイヤー」からグルーブがぎゅっとなるのが気持ち良いんだよねー。 一度だけはハイパーロックエディションだった。(cut fourのアコーステ…
【00:00】 ジャキジャキ鳴るベースが格好いい。 どこか緊張感のある前奏。 これから何が始まろうとしているのか。 【00:32】 <大きく渦巻く自転車置き場の海> たくさん並ぶ自転車を海と捉える表現は初めて聞いた。 あ、でも言われてみればそう見える。 …
【00:00】 囁くようなはじまりは、夜の幕開け。 澄み切った夜空の下、駆け出していくようなメロディだ。 <大変だ 靴が脱げてきみは消えた> 【00:08】 <目を開ければそこには何もない 楽しいことも悲しいことも二度とは思い出せない> 疾走する音楽に乗…
何かが明けるような、始まるような、だけど期待に満ちたというには少し、荒々しいメロディで始まる。 歌詞の書き方も奇妙だ。この曲の歌詞は、全て「」で括られている。会話だ。“ぼく”と“きみ”は、日曜日、初めて対話する。 『「水滴のようだよ もういまにも…
雨音の垂れる音のようにぽろぽろ鳴るギター 金属の屋根にしたたるしずくのような冷たい、それでいて優しいシンバルの音 息を吸って、吐く 深い呼吸のように通奏するベース 「朝、蒸気のような雨が吹きつけて 通りは輝きだした 目の褪せたサイコロを振って 思…
木曜日とは打って変わり、華やかに始まる金曜日。 全てが解決したかのような、開放的な音とは対照的に、歌詞の世界では良くない事が起こっている。 「Aは花を散らして Bは踊る CとDはどうやって夢を見る?オピウム?」 オピウムは、英語でアヘンもしくは麻薬…
『寝苦しくて目覚めたら豚がぼくに馬乗り』 なんともマトモではなさそうな始まり方。 『まったく神様のしつけがなってないな』 と、迷惑そうな素振りから、ペットのブタちゃんというわけではないらしい。 木曜日は難しい。 それまで、明確に"彼女"との繋がり…
火曜日は出来事で、水曜は回想。 楽しかった頃の記憶。 彼女との日々は目まぐるしく、遊園地みたいに楽しかったんだろう。 前半の、怒涛の音、リズム、エモーショナルな演奏。 不穏さや不安を含んでいるのに、自然と体が動いてしまうリズミカルなフレーズが…
出来事としてのスタートは『火曜日』ではないでしょうか。 『彼女は消えた』事から始まる、1週間の出来事。 何かを示すような単語が散りばめられており、考察心をくすぐりますね! 『空室』は彼女が消えて居なくなった部屋の事だろう。 消えたのは『8月』、…
始まりましたGhost Apple。 1番好きなアルバムです。 「コンセプトアルバム」というものを初めて知った作品でもあります。 格好良すぎてもんどり打ちました。 テーマ(コンセプト)としては、病を患った"きみ"と"ぼく"の1週間の出来事、という感じでしょうか。…