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見えない警察のための

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【00:00】

ジャキジャキ鳴るベースが格好いい。

どこか緊張感のある前奏。

これから何が始まろうとしているのか。

 

【00:32】

<大きく渦巻く自転車置き場の海>

たくさん並ぶ自転車を海と捉える表現は初めて聞いた。

あ、でも言われてみればそう見える。

規則正しく並ぶ自転車、一定の周期で寄せては返す、波に見えてくる。

 

【00:45】

緊張感と不穏さを一度切り離すかのように。

3つの楽器はアンサンブルをキメる。

(ここのハマり方、格好いいよねー。)

曲のボルテージが上がる。

 

【00:51】

<相変わらずの点滅が刺さる>

ここでサビに持っていかないのがPeople In The Box

来るぞ来るぞ来るぞ・・・と期待させといて、裏切りのテンポダウン。たまりませんね。

 

【01:00】

<近所の薬局で洗剤買って

それからぼくはどうしたっけ>

ハイハイこれこれーー!!

現実離れした描写の多い曲の中で、『見えない警察のための』は自転車置き場とか、薬局とか、生活感のある描写があるのが、この曲を少し異質だと感じる理由だろうか。

「え、薬局?」と、拍子抜けして気を取られた隙に、刻み込んでくるドラム。

くぅーーーーーー。

 

【01:12】

聴くたび、これまでとのギャップで格好良すぎて、笑ってしまう。

疾走するギター、刻み付けるドラム。

うわびっくりした。ロックバンドだこれ。

<どうしたっけ>から続くコーラスも伸びやかに音に乗る。

"爽やかな鬱"という彼らに対する評価は大好きだ。

大好きだけど、サウンドがあまりにロックバンドしている。

なので、"爽やかな鬱ロックバンド"という事でひとつ。

 

【01:58】

<口笛吹こうジェリービーン 踊ろうね>

前半歌詞のもじり。

「大通りへ」は「踊ろうね」に。

踊ろうね、の方がヤバみがあって好き。

 

【02:49】

疾走するサビを走り抜け、間奏はセッションのような自由さを感じつつ、ドラマティックなメロディを奏でる。

歌詞からは何も読み取れないけど、(読み取る必要も無いと思うけど!)何かエモーショナルな事が起きている。と、想像させる音。

 

【03:02】

<ある朝目醒めてぼくは重力をなくした

少し浮かぶ>

緩急のつけ方がまるでジェットコースター。

重力を無くしたこと、少し浮かぶという事実がエモく聴こえてしまう、不思議。

歌詞世界はふたたび、現実離れしていく。

 

【03:22】

<もう世界は逃しはしない>

高音が素敵だ。

 

【03:27】

ギターが聴かせる聴かせる。

グッと来るフレーズを重ねに重ねて。

ベースが主人公のパート、ドラムが主人公のパート、ギターが主人公のパート。

それぞれに見せ場のある曲だと思う。

あれだけカッコよく刻んで来たドラムが、ここでは大人しくギターを支える役割をしているのが、クール。仕事人て感じ。

3人とも、冷静さと情熱を持ち合わせており、且つ、ガチッと切り替えられる一歩引いた所。そういう所が好きだなぁ。

 

【03:40】

<探し物みつからない 踊ろうね>

探し物みつからないから踊る。

この一言、すげぇヤバいですよね。

めっちゃ好き。

 

【03:52】

<それからぼくはどうしたっけ>

緩急のリードタイムは徐々に短くなっていく。

前半:緩    急

中盤:緩   急

後半:緩  急

終盤:緩急

この構成の仕方、上手いなぁと思う。

終盤の聴き手のテンションはMAXですよ。

もう条件反射で<それからぼくはどうしたっけ>が来たらサビに入るのが分かってますからね。

こちらのテンションを汲み取ったかのように、ノータイムで突入するラスサビ。

いつも心の中で「いっけ~~~!」って叫びながら聴いてます。

 

【04:29】

ラスサビのテンションのまま、ブチ上げていく後奏。

これはブチ上がりますって。

 

ゆるい世界観の歌詞と、ロック・サウンドの混ざり合いは、奇妙で格好良くて癖になる。