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読む音楽 ライブ感想・曲感想など。使用している画像は全て自作です。 X:@tbk_pd

「価値」

www.cinra.net

 

CDベースの時代とサブスクの時代を比較すると、お金の流れ方が変わったんです。そのことによって、これまで稼げていた人が稼げなくなった。それによって「サブスクでは稼げない」という言論が生まれていると思います。

 

目に見えない物の価値は本当に脆くて、たくさんの娯楽にまみれた今の時代、「価値が生き残る事」はひとつの評価基準であるように思える。

どんなに良い曲でも、インターネットに、メディアに、SNSに遺らなければ、それは価値が死んでいるように思える。

寂しい時代だと思う。

必死に発信しないといけない時代なんだと息を呑む。

 

昭和に流行った曲が、TikTokで流行りダウンロードサイトでランキング入りをする。

こういうニュースを聴くと、嬉しくなる。

「素晴らしいものは滅びない」

映画『ショーシャンクの空に』のセリフだが、これはとても良いセリフだ。

このセリフを信じたいが、でも信じる気持ちが揺らいでいるのが本心だ。

 

素晴らしいものが滅びなかったのは、結果だ。

そこに至るまでに、多くの「滅ばせたくなかった人達」の努力があったと感じる。

滅ばせないためのオリコンチャート、大手事務所、マーケティング会社、広告代理店。

かれらは、素晴らしいものを滅ばせないための技術を職業としているだろう。

 

曲ダウンロード、CD購入、ファンクラブ、グッズ販売、そしてライブ。

好きな物を滅ばせないためのお手伝いをファンはおこなう。

出来る事ならなんだってするけど、なんていうか、他の新しいやり方って無いのかな。

 

"音楽そのもの"の価値が最大の商品であるアーティストはどれだけいるだろう。

良い悪いではなくて、仕組みがそうなっているから、"音楽そのもの"が最大の価値でなくても売れてしまう事はあると思う。

仕事である以上、お金を稼げればそれ以上もそれ以下もない。それで良い。

でも、もし"音楽そのもの"が最大の商品であるアーティストがいたら。いてくれたなら。

自分は、そのアーティストを滅ばせたくない。

なぜなら素晴らしい物だから。

 

このブログはPeople In The Boxというアーティストの全曲感想を書くために作った。

彼らはブレない。

だからこそ、少し心配になる時がある。

純粋で、いい意味でも悪い意味でも芸術家っぽいから、現代のシステムに取り残されてしまうんじゃないかと。

ブログを始めたきっかけも、コロナでライブ活動が停止したからだ。

「何にもならなくても、このアーティストの良さをせめてインターネットに遺したい。」

そう思って始めたんだった。

なんか、危機感を感じてたんだと思う。

いちファンの吠え事が何になったかは分からない。

でもライブは続いている。

 

CINRAの記事を読んで、とても面白かった。

着眼点がクールだし、客観的に現状を見ている感じがする。

それに発想が自由だ。

今までのやり方と違うやり方で音楽にアプローチする。

専門用語や業界の現状は分からないところも多いけど、それでも、何か新しい流れが起きそうでワクワクした。

 

自分だったらどうかな。

ずっと欲しい物があって、JASRAC的なやつに守られてるんだろうなーと想像だけしてるんだけど(詳細は調べていない。)、一般人でもお金払ってアーティストの音楽を使用できる権利とか仕組みが欲しい。

自分は細々とミステリーのシナリオを作っているのだが、いつも勝手にテーマソングを決めている。

そのテーマソングを、お金出して本当に使えるようになったらな~~~と夢を見ている。

"音楽そのもの"に最大の価値があるアーティストだったら、"音楽そのもの"を商品にする仕組みが出来ないものだろうか?

だって、その音楽には価値があるんだもん。

音楽が聴きやすく、手に入りやすく、ダウンロードし放題の現代なら、その行為ひとつひとつに価値を付けて良いと思うんだよねぇ。

どうかな。

この夢は。