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実質IMAXじゃん 恵比寿GARDEN THEATER [3.31]

2024.03.30-31

恵比寿ガーデンシアター

[30]オールスタンディング

[31]全席指定

両日行かして頂きました。

本記事は31日の感想です。

 

※セトリ

1:日曜日/浴室

2:スマート製品

3:ベルリン

4:螺旋をほどく話

MC

5:潜水

6:親愛なるニュートン街の

7:数秒前の果物

8:鍵盤のない、

MC

9:ニコラとテスラ

10:どこでもないところ

11:水晶体に漂う世界

12:動物になりたい

13:いきている

14:真夜中

MC(グッズ紹介)

15:逆光

16:DPPLGNGR

17:旧市街

18:バースデイ

 

~私事の前置き~

整列番号は基本、見ないので会場に着いてから「そういや全席指定だったわ」と思い出し、スマホを見た。

「A・・・Aか。 A!?!?

ミュージカルだとS席とかあるじゃないですか。

A席ってワンランク落ちるんすよ。

きっとそういう事だろうと思って席を探した。

最前だった。

前日の開演が30分遅れたので、備えて本を持って来ていたのですがそれどころじゃない。

(昨日はオッペンハイマーIMAX最前で見て、今日はピープルIMAX最前か・・・)

(?)

オッペンハイマーは膝下から鳥肌立ちましたが、この日はつま先から震えていました。

(仕事頑張って良かったな・・・)

(神様がくれたご褒美なんだな・・・)

ちなみに、31日は定刻通り開演しました。

 

1:日曜日/浴室

昨日は『月曜日』、今日は『日曜日』。

そういう事するバンドだよ。

視覚情報の忙しさも相まって、ハッキリ「これ『日曜日』だ」と認識できたのは曲も半分ほど過ぎてからだった。

ビックリした。

そして薄く涙が溜まっていった。

『日曜日』がな、一番好きなんじゃ・・・。

一番好きな曲を一番前の席で聴けて(見られて)、もう命日なのかなって覚悟した。

 

開演まで恵比寿の街をふらふらしたり、カラオケに行くなどしてました。

カラオケで「折角だからピープル歌うか・・・」と『日曜日』を入れかけたけど、「いや、ピープルは聴くのが至高であって歌いたい音楽ではない!」と思いとどまった。

正解だった!!

ちなみに「歌いたい音楽」はサカナクションです。

 

2:スマート製品

いや~~ヤバイよこの席・・・昨日のスタンディングで見られなかった手元がずっと見られるよ・・・

目3つ欲しい。まじで。

 

3:ベルリン

(昨日に続き)おかわりありがとうございます。

2023年のヒューリックホールが非常に良かったので着席ライブは楽しみだったが、うかつに動けない事に気づく。

イスがね、隣の人と繋がっているので・・・。

これはこれで割としんどかったですね。

間奏のベースんとこ、じっと聴いてなきゃいけないのがね・・・。

ハンニバル・レクターばりに拘束して欲しかった。

 

<逆さに傘を差す>のコーラスが綺麗だった・・・。

2人であの重なり出るの凄いよなぁ。

 

どの曲でも言えるんだけど、手元と喉から出る歌声のリズムが別すぎて、本当によく間違えないなぁと毎回新鮮に驚く。

<レッド、レッド、レッド>のギター、どないなってます?

あれ弾きながらリズム崩さずメロディ歌うの、見れば見るほど訳分からなくなる。

これが変拍子バンドか~ (?)

 

4:螺旋をほどく話

着座は着座で体力を温存できるのが良い所なんですけどね。

動けんかったら、もう体力を視力に全振りするしかないんよ。

 

『螺旋を~』だったか定かじゃないんですが(ここまでの曲である事は確か)、ドラムスティックが折れたかすっぽ抜けたかで吹っ飛んでったんですよね。

スティックが飛んだのは分かったんですが、間髪入れずに予備?のスティックを抜いて演奏し続け、中断なくフッツーーに曲が続いていたのが「プロってすげぇ~!」ってなりました。

見えたか見えてないか分からないけど、波&健も全く気にしていなかったのがバンド力(ぢから)を感じましたね・・・。

 

=MC=

波「何でもないツアーをやりたかった。」

メッセージは一緒だけど、名曲のくだりは1日目だけでした~

 

5:潜水

どの曲もそうなんだけど、手元を見られるのがありがたいね。

ライブが好きなのは空間やお客さんを見て楽しむ(楽しんでる人を見るのが好き)のもあるけれど、やっぱり"演奏風景を見たい"が半分以上占める。

自分だけかもしれないけど、聴覚・感覚だけじゃなくて視覚もかなり使っています。

バシャーン、バシャーンと飛び込む音のようにシンバルが叩かれる。

ベースとギターが息ピッタリすぎて、ひとつの楽器かのように錯覚する。

高音コーラスも綺麗でいいよね。

 

6:親愛なるニュートン街の

また聴けて嬉しい。

<ハイホー!>からのクラップは、波多野さんが煽ってくれた事で生じたらしい!

ギターから手を離して踊りながらクラップしているのが、楽しそうだった。

しかし今日のお客さんはおとなしいというかお上品なので、昨日よりクラップの時間は短かった印象。

もっと叩いて良かったかもしれない・・・けど空気読んじゃった・・・

 

<夏を貫く長い一日が今日もやってくる  おは よう>

この「おはよう」の言い方がとても優しくて好きでした。

 

7:数秒前の果物

また聴けて嬉しい!

やっぱりマイブーム中の曲をライブで聴けるとテンション上がる。

<Cut The Fruit>のコーラスがみんな楽しそうで良かった。

カラフル照明は、後ろの席の方が綺麗に見えたかも。

前の方だと薄い感じ。

間奏の「ティッ↑ティッ↓ティッ↑ ティ↑リッ↓ ドゥルル↓ルルルル↓」※ギター が見ててもど~弾いてんだか分からん。

ギター弾けないので分からないけど、難しいんだろうなぁ。

 

8:鍵盤のない、

ライブでよくやる曲とはいえ、演奏風景を間近で見られるのは今回だけかもしれない。

目を皿のようにして見ました。

メインフレーズ?のギター、音がぽろぽろ鳴ってて可愛いですよね。

とりあえずめっちゃ細かく弾く事だけ、分かりました。

これまでの曲と同じギターで弾いてるとは思えない。音が違う。スゴイ。

 

=MC=

ドラムスティックを持ったまま静止するダイゴマン。

健「・・・」

ダ「・・・。(小声)だよね?」

健「(ウンウン)」

MCなの忘れて次曲やろうとしてたみたい。

 

ダ「駄菓子屋って最近行った?行ったか聞いてるんだよ?」

健「近所の?」

ダ「ウン。家の近くにあったの。・・・みんな、子供の頃駄菓子屋行ってた世代でしょ?僕が通ってた〇〇小学校の裏に文房具屋があってね、そこで駄菓子売ってたの。10円ガムってあるじゃん。あれ、最高12回連続でアタリ出た事ある。」

健「それは凄いね!」

ダ「学校帰りに食べちゃダメよ、って言われてたんだけどさ、歩きながら食べるわけ。そしたら当たるじゃん。で、戻るじゃん。また食べるじゃん。当たるじゃん。それを12回繰り返したわけ。」

そんな人初めて聞いたわ。普通に凄い。持ってんな~

ダ「今さ、うまい棒も10円じゃ買えないだろうね。」

健「10円じゃないの!?」

ダ「わかんない。誰か調べて?ケータイ今無いから。」

健「遠足のおやつも、今300円じゃ買えないんだろうね。」

ダ「500円ぐらい持ってかないと。でもね、確実に昔よりおいしくなってるよ。カットよっちゃん知ってる?今めちゃくちゃウマいから。」

そうなの?笑

帰りにコンビニ寄ったら、恵比寿のうまい棒は12円でした!

 

9:ニコラとテスラ

Citizen Soulから2曲目。

まだオッペンハイマーに脳を灼かれているのでこれは刺さる。

<風に揺れ膨らむ 風船が割れそうだ>

<新聞の一面飾る 造花をかこんで跳ねる動物たち>

<無限に連なって和解する世界>

知的なワードと不穏なサウンドが溶け合う、胸のざわめきを楽しむ。

 

ここまで書いて難だが、映画後のモチベーションでは『ニムロッド』が一番刺さったかもしれない。

歌詞を見返したらやはり良い感じだった。

 

10:どこでもないところ

昨日は場所的に見られなかったが、「ここの音ギターじゃなくてベースなんだ」と発見する所が多くて面白かったです。

何て言うのがいいのか分からないんだけど、歌うようなベースだと感じた。

 

11:水晶体に漂う世界

3人でコーラスする曲はなんぼあってもええですからね。

いや、まじ、演奏もさながら3人で歌われると目6つ無いと追いつかない。

しかしコーラスするためにマイクの方を向いて、手元を見ずにドラム叩くの凄すぎんか・・・?

当然の事なのだが、2人のコーラスと演奏に負けかけている波多野さんを心の中で応援していました。

ドラムとベースの音が凄い迫って来るから<ステイ、気づかないふりをしていろ>がかき消されかけてました笑

2対1だからね・・・!しかもゴリゴリに演奏してくるからね・・・!

 

12:動物になりたい

演奏前にベースの音(弦?)チェックを丁寧にしていたのが印象的。

なんとなく、ネックの持ち方も優しいなぁと見ていたら、弾かれる音もとても優しいものでした。

この曲のベースは、心臓の鼓動のように聴こえる。

ふかふかした大きな動物のもの。

 

13:いきている

優しい曲が続く。

ギターもベースも優しい音がした。

 

14:真夜中

セルフハンニバルで耐えた曲2つめ。

ギターだけが鳴らされる後奏、すごく丁寧な力が込められて弦を弾いているのが見えて、非常に良かった。

 

=MC=

ダ「コォーーンバーーンワァー!!!(高音)」

波&健「  」

『真夜中』の後のしっとりした空気を一瞬で変える方法、ダイゴマンの高音ボイスチェンジャー

リアルで肩がビクッとなる人間を一度に2人も見たのは人生初だよ。

波多野さん両耳押さえてましたからね。

二度とぶりっこしないで。嘘。もっとして。

ダ「オレニハネ、ヒクイコエガキコエテルカラタカイコエワッカンナイノ。」

波「ちょっと、ほんとに何言ってるかわかんない。」

ダ「(普通のマイク)ああ、落ち着く。あのマイク(高い声の方)、俺がただ使いたかっただけっていうね。」

波「僕らもこっちの方が・・・。コミュニケーションが取れてませんでしたからね。

 

[ノアの箱舟Tシャツ]

ダ「ノアの箱舟って知ってる?世界中の動物を、オスとメス一匹ずつ入れたんだよ。・・・人間は?ノアさん?ノアさん一人じゃダメだよね?誰か知ってる人いる?」

(勇気ある観客)「ノアと、ノアの息子と、その妻たちー!」

ダ「その妻たち!?ノア独り占め!?」

知らなかった!教えてくれた人ありがとう。

 

[Tシャツ]

ダ「みんな買った?」

(買えなかったお兄さん)「買えなかったぁーー!!」

ダ「まじ?あげようか?」

客席「!?」

ダ「3枚用意しておくから。お金も用意しといて~」

上げて落とすの笑ってしまった。

お兄さんに愛の手を。

 

[アクリルマグネット]

ダ「一部の人のためにまさおを描いてる。」

健「色がほんとにいいよね。まさお。おしゃれ。」

まさおめっちゃ褒めてくれる。

 

[角砂糖]

ダ「60%OFFになってます!」

昨日の効果か、開演前物販で角砂糖売り切れてましたよ!

フライトタグもな!(号泣)

 

[DVD]

ダ「Cut Oneから持ってる人~?Cut Oneってもう売ってないんだよね。あれに、色んなライブのオフショットがあるんだけど、うちのハードディスクに大量のオフショットが入ってたのね。使えないやつばっかなんだけど、めちゃくちゃ面白かった。」

なにそれ見た~い!

ダ「急に踊り出すのとか。(踊るような)そういう空気で踊るんじゃないんだよ。歩いてる途中で、ホントに急に踊り出すの。俺が、タンバリンを急に鳴らして。」

波「ああ・・・なんか覚えてる。リズム隊が、急激に踊り出した時。」

3人しかいないバンドで急に踊り出すひと2人いるの面白すぎる。

波「本当は好きな時に踊ればいいのに、家で一人でいても格好つけちゃうんだよね。誰も見てないのに、犬をなでて・・・」

ダ「うさぎでしょ?」

波「・・・。元ネタがあるんですよ。よくない元ネタが・・・後で話します。」

楽屋で(笑)

元ネタがあるんですね。

自分も同じ疑問が浮かんだので、「うさぎ」って突っ込んでくれて良かったです。

 

[残りわずか]

ダ「ピープルインザボクス、残り時間わずかとなりましたーーー!」

客席「えーーーーー!?」

ダ「残り2曲やってくんでよろしく!」

客席「えーーーーーーーーーー!?」

ダ「じゃ3曲!!」

わいは""2周目""なので知っている。

ここは「えーー!?」だ!!

客席「え(パチパチパチパチ)ー・・・」

拍手に負けちゃった。

他にもいたんですよ。一緒に「えー!?」って言った人は。

でも負けちゃった・・・ごめん弱腰な客で・・・

ちゃんと「4曲!」って宣言してくれました(笑)

 

15:逆光

これもライブで聴くのめっちゃ好きです。

『天使の胃袋』と『逆光』甲乙つけたいが・・・『逆光』の方がマイブームだったので嬉しい!

<20世紀 きみの愛した>

<20世紀 葬られた>

コーラスの高音と低音を使い分けるのが凄い。

終盤近くになってもエネルギーが全く衰えない、ドラムも凄い。

馬車、というより汽車の走る音のように感じる。

手元はもうなんかすっごい速く叩いてる事しか分かんなかったです。

 

16:DPPLGNGR

終盤でアルバム1曲目を差し込んで来る所が意味ありげ。

だけど<意味など無い>のだろう。

『逆光』でドラムの勢いが衰えないと書いてしまったが、それはギターとベースも同じこと。

まるで1曲目かのようなエネルギーで音が溢れ出す。

 

17:旧市街

熱に満ちた音の余韻を残しつつ、ベースが弾かれ始める。

『旧市街』のフレーズだと気づいた隣のお客さんが静かに体を揺らし始めた。

着座でもリズムに乗りたいよな、と嬉しくなる。

めちゃくちゃ初心者みたいな事言いますけど、<さあ角砂糖を献上せよ>って歌詞はやっぱ独特すぎて最高。

 

18:バースデイ

ベースの歪んだ低音が会場を満たした。

アンプから出力されるノイズとも取れる音振は、最後の曲であるという事実を拒む感情のざわめきに似ていた。

寂しさと情熱の入り交じるメロディは、いつだって心を豊かにしてくれる。

 

いやぁ、2日間楽しかったなあ。

ライブを楽しめるのは、感覚のチャンネルが正常である証拠だ。

ものづくりをする人がよく「降りてきた」なんて言うけれど、自分はあまり当てはまらない言い方だと思っていて、日常生活で組織や他人に同調していく事でズレていく感覚のチャンネルを、必死に自分自身に合わせ続けるのがインプットだ。

今回はそれが上手くいったと思う。

だってほら、ここまでで5776文字も書いてるんですよ。

 

スタンディングも着席も、どちらにも良さがあって、あとは好みの問題だろう。

そして、People In The Boxの作品はスタンディングでも着席でもどちらでも楽しめる振れ幅の広い音楽だという証拠にもなったと思う。

2023年のヒューリックホールのライブが刺さったのでホールライブで"鑑賞"する事も、熱量の高いお客さん達と楽しむスタンディングライブも、どちらも捨てがたい。

なんと欲張りなバンドである事か。

集客力が高い東京だから出来る事かもしれないが、大阪や他の都市でも、着席&スタンディングの欲張りツアーをやってあげて欲しい。

何だか上から目線な物言いに書いて申し訳ないが、こういう伝え方しか出来ない。

行ける人は、絶対にどっちも行った方がいい。

 

この後ライブの予定は無いけれど、船の出航を見送ったつもりは無い。

感じた熱が、得たワクワクが、その船に乗って全国を旅するだろう。

トップバッター、東京、とても良かった。

だけどこの後控えてる各都市が羨ましい。

だって、絶対に回数を重ねた方が良くなるもの。

多くの人の「楽しかった!」を乗せて、行ってらっしゃい!

 

[書き残し―①イラスト]

イラストの女性はノアの息子の妻をイメージしてます。(ほんとか?)

リンゴは「オッペンハイマー」のキーアイテムでもありますが、『親愛なるニュートン街の』のイメージとも重なるようで、描いてて楽しかったです。

そして、フライトタグね。

欲しかった~~~という悔しみを込めて。

 

[書き残し―②くつした]

終演後、お辞儀をして帰って行くメンバーに拍手をしている時のこと。

波多野さんの靴下が赤色だったのが見えて、「そういう事する人だよ・・・」と勝手にやられてました。

他ブラックで統一してるのに、さり気ないおしゃれ。

そういうのいいよね。