YOMUSIC

読む音楽 ライブ感想・曲感想など。使用している画像は全て自作です。 X:@tbk_pd

音楽

砂漠を吹く乾いた風のようなパイプの音。 オリエンタルな鐘(銅鑼?)がリズムを刻み、我々は異次元の世界に連れて行かれる。 ロレリッツァー ソーウーワー ロレリッツァーー ラッアーー 民族音楽という言葉が頭に浮かぶ。 しかしこの、何語か分からない(おそ…

亀裂

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砂漠

『Wether Report』の中には、同じフレーズを使っているが歌詞が全く違う、対のような曲が2つある。 『砂漠』と『大砂漠』 『投擲』と『脱皮後』 砂漠、アラビア。 サハラ砂漠。 砂以外になにも存在のない、寂しい場所を風が吹き抜ける。 『気球』から風景を…

気球

全21曲、トータル70分、1トラック。 曲調はポップな物も多いのに、魅せ方についてはポップさをかなぐり捨てた『Wether Report』。 「聴く人を選ぶ」と言ってしまえば簡単だが、それでは少し語弊を感じる。 「普通とは違う事をやってる音楽を選んだ人に聴いて…

八月

きみは息をしている。 さようならを二度聴いて 痛めつけられた記憶があって 無感動と孤独のダンスに拍手を送った 温かみのあるオレンジ色のジャケットに反して、その中身は、悲観的で冷笑的な、どれも辛さを少しずつ伴う曲たちだった。 でも、素晴らしかった…

市場

<清潔な流し台を鮮血が走る> 『みんな春を売った』から続く物々しさが、『市場』でもむき出しになる。 甲高いブレーキ音のような弦が響く、だけど音楽のブレーキはかからない。 リフレインするギターのラインは思ったよりキャッチーだが、音のリズムと言葉…

みんな春を売った

春。 青春。 売春。 意味深なタイトル。 ゆえに人と「『みんな春を売った』っていう曲、好きなんだよね。」とは話しづらいから。 だから、読む音楽で残す。 自分はこの曲が好きだ。 <ゆうべ からだを売ってみたんだ こころを切り離すために> 抽象的なイメ…

割礼

『割礼』の歌詞で初めて「物質」というワードが出て来る。 (曲名『物質的胎児』は除く) 物質の洗礼、東京。 言い得て妙な都会の形容。 <あの東京にも原始時代はあった>と、物で溢れる首都をフラットな場に引きずり下ろすクールな一撃。 「割礼」ユダヤ教の…

ダンス、ダンス、ダンス

カントリーソングのような、懐かしみのある、温かいギターの音色がする。 <哲学者の友達はきびしかった 遂にぼくを許してくれなかったけど 嘘だけは絶対につかなかった "ついていい嘘なんてあるわけがない" 死んでしまってからも ぼくはそれを誇りにおもう…

物質的胎児

<あんぜんな みどりむし> 初めて聴いた時、このワンフレーズにやられた。 頭の中にぐるぐると残り続けたこの歌詞が、どうやらとても衝撃的だったみたい。 安全でないミドリムシってあるのだろうか? そもそもミドリムシの形容詞として「安全な」って普通じ…

球体

<球体に守られて 誰もが痣だらけ> 痣、という鈍色の単語に想起されるような、錆ついたドラムの音で始まる。 "球体"に守られているにも関わらず、痣だらけで守られていないと言う、矛盾と皮肉を音楽で包んだシュルレアリスム的歌詞世界が我々を引き込む。 …

時計回りの人々

<ひとがいうには 「すぐに治るよ きみのこころは 仲間の待つ仕事に戻れよ 今日のところは」 もしかしたら そうかもね みんないうなら そうかもね> この歌詞を聴く時、読む時、書き起こす時。 なんていい歌詞なんだと思う。 <きみ>のこころは多分、治らな…

ダイゴマンナイトvol.2.5 (東京)

※セトリは覚えてる範囲です。 ぐっとなったのはミネルヴァ、一度だけ、潜水 ミネルヴァ、格好良すぎる。 「締め付けるワイヤー」からグルーブがぎゅっとなるのが気持ち良いんだよねー。 一度だけはハイパーロックエディションだった。(cut fourのアコーステ…

見えない警察のための

【00:00】 ジャキジャキ鳴るベースが格好いい。 どこか緊張感のある前奏。 これから何が始まろうとしているのか。 【00:32】 <大きく渦巻く自転車置き場の海> たくさん並ぶ自転車を海と捉える表現は初めて聞いた。 あ、でも言われてみればそう見える。 …

日曜日/浴室

何かが明けるような、始まるような、だけど期待に満ちたというには少し、荒々しいメロディで始まる。 歌詞の書き方も奇妙だ。この曲の歌詞は、全て「」で括られている。会話だ。“ぼく”と“きみ”は、日曜日、初めて対話する。 『「水滴のようだよ もういまにも…

土曜日/待合室

雨音の垂れる音のようにぽろぽろ鳴るギター 金属の屋根にしたたるしずくのような冷たい、それでいて優しいシンバルの音 息を吸って、吐く 深い呼吸のように通奏するベース 「朝、蒸気のような雨が吹きつけて 通りは輝きだした 目の褪せたサイコロを振って 思…

金曜日/集中治療室

木曜日とは打って変わり、華やかに始まる金曜日。 全てが解決したかのような、開放的な音とは対照的に、歌詞の世界では良くない事が起こっている。 「Aは花を散らして Bは踊る CとDはどうやって夢を見る?オピウム?」 オピウムは、英語でアヘンもしくは麻薬…

ヤバT仕事しすぎィ!!

目に見えない物を生み出す仕事をしている。音楽は"人の感情以外は何一つ、生み出さぬ仕事"かもしれない。だけど素晴らしい仕事だという事を知っている。少なくとも、我々 音楽が好きな人間は。 自分の仕事は素晴らしいと言えるだろうか?毎日同じ事の繰り返…

PITB Acoustic 2020

セトリは控えられなかったので、メモした曲だけ。 ライブ見れて本当に嬉しかった。 ・イヤホン パソコン繋いで5.1サラウンドにしたら声と音が近くてビビりました。ここ(自室)はもはやライブハウス。 ・まなざし 一発目とは思わなかった…。CDだと最後なのでク…

ヤバTは今必要なポップスなんだって話

Tank-top of the DVDⅢ レビュー 世界がこんなんなると思わんやん。 インドア・アウトドアどちらにも趣味があるので外出自粛は願ったり叶ったり、インドア趣味を充実させようと、2か月経ってまだ未開封のTank-top of the DVDⅢを開けた。 丁度1年前のGWのライ…

Tabula Rasaツアー初日の事

はじめ、「Tabula Rasa」というタイトルが発表された時、嫌な予感がした。 意味は「白紙」。 もう、創作意欲が無いって事? そういやライブも久しくやってないなぁ。 このツアーが最後になったら嫌だなぁ。 悪い癖で、物事をマイナスの方向に考えてしまう。 …

星野源は遠くに行ってしまった

あの頃、誰も知らなかったやん。 SAKEROCK言うたらサカナクションじゃなくて?って聞き返されるやん。 だのにいつの間にかお茶の間の歌手、国民的シンガーになってしまった星野源。 あの頃の君はどこへ行ってしまったんだい。 POP VIRUS 感想です。 1:POP VIR…

「青春は、振り返った時から青春になる。だから君たちは、まだ振り返るな。」

4月8日、アーバンギャルド10周年ライブ「KEKKONSHIKI」 中野サンプラザでライブをするバンドは全て良いバンドという横暴な 持論を持っているのだが、やっぱりす~ごい良かった。 プロのレポートがあるのでごくごく個人的な感想を書きたいと思った。 誰かが続…

Kodomo Rengouというタイトルを、つけてほしくなかった。

正確には、「子供」という言葉を、使って欲しくなかった。 私事になるが、最近、「大人になること」について考え続けている。 きっかけは職場の人間関係だが、"先輩の言うことには従う"ことが、自分にはどうも昔から苦手だった。 素直に「はい」と言えばいい…