とうてき
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投げること。なげうつこと。
ふっと視界が拓ける。
鉛色の『起爆』が爆発し切って、土煙。
それを風が押しのけて、<目の前>に<何もない草原>が広がる。
爽やかなカッティングが不意打ちで、ミドルテンポの曲なのかな、と思っているうちに疾走するサビに巻き込まれ、瞬く間に身体は投げ出されて<凍る草原へ>ダイブする。
この落下感がたまらない。
次の疾走までの助走のつけ方がが上手い。
焦らして焦らして、一気に加速。
こういう展開が好きだ。
テンポが次々と変わる面白くて豪華な曲だと思う。
『脱皮前』『脱皮後』も同じメロディーラインが使われている。
しかしテンポが全く違うので、全く違う印象だ。
どっちの歌詞も良いんだよな~~~。
<いつも一等賞>
<死者は一等賞>
<花をくわえさせられ話せない>
<隠された事が隠されている>
<人間を知り抜いた よくできたルールだ>
死人に口無し、という諺の皮肉な説明。
献花の中に悼みは無く、花を突っ込んでは黙らせる。
語れる者が不在ならば、真実は葬られ生者の騙りが記録となる。なってしまう。
核心を突くような歌詞が、ノリの良い音に乗って繰り出されるのもたまりませんね。
サビのメロディがめちゃくちゃ良いぶん、助走のパターンが3つもあって上手いなぁと思う。
①(ウェザリポ換算)0:19:45~
②(ウェザリポ換算)0:20:46~
③(ウェザリポ換算)0:21:48~
③の裏打ちが好き。
こんなロックロックしてて武骨なサウンドだが、歌詞は繊細だ。
そのアンバランスさに体を投げ打って、ただただ、楽しめば良いと思う。
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花を描くのが好きです。
描く時は花言葉まで調べて、意味のある絵にしがちですが、そういう事をしたくなかったので今回は心のままに描きました。
(チューリップっぽい花ーぐらいは考えたのですが。)
「死者は花をくわえさせられ話せない」というフレーズがめちゃくちゃ好きなので、表現できて良かったです。
でも好きだからまた描くだろうな。