「架空の国境を跨ごうとしている」
世界の見方を変えるような曲に時々出会う。
そしてその曲は必ず、自分の大切な曲になる。
違うバンドの曲で申し訳ないが、クリープハイプの"イノチミジカシコイセヨオトメ"を聴いた日、『生まれ変わったら何になろうかな コピーにお茶汲みOLさん』の歌詞で世界の見方が変わった。OLって普通になろうと思ってなれるんじゃないんだ、って。自分の思う普通が、どれだけ狭かったか呆然とした。
話を戻す。
日本に生きていると国境という概念はとても薄いように感じる。
ヨーロッパは陸続きだから否が応でも付き合っていかないといけない物だけど、海に囲まれているとそうでもないんじゃないかな。
だから歌詞に国境という言葉を使っているのが衝撃だった。
「若い哲学者の口をガムテープでぐるぐる巻きに」
この歌詞も好き。
哲学者という言葉だけでも普段使わないのに、なんで「若い」んだ…とか「ガムテープでぐるぐる巻きに」したら犯罪やん…みたいなツッコミ所が多いのに素敵な音楽と相まって素敵な歌詞に聴こえるのが不思議。
「きみはもう生きてはいないかもしれない 住み慣れた街の亡霊に取り憑かれて」
これも好き。
言葉はネガティブなのに、やたら晴れ晴れとした歌声、そしてこの後に来るサビ前のワンフレーズで歌詞の意味を考える間も無く爽やかな音の濁流に飲まれる。
「行こうかな 戻ろうかな いっそ踊ろうかな」
ここも葬式で流して欲しいぐらい好きですね(?)。
初めて聴いた時は踊るんかーーーーい!!!って声出してツッコミました。家で。1人で。
いや、ホント好き。
行くこともできず、戻ることもできず。ならばここで踊るという選択肢。
2元論にこだわらない考えがすごく好きで、そういう考えもあるのか。有りだなぁ。と、世界の見方が変わったところです。
どっちかを選べって言われること、多いですよね。
ラーメンとハンバーグが並んで出されたら、どっちも食べたいもの。
「僕ら自由さ 抜け出して」
ここのドラム、ベース、ギター、全部自由な感じがしてほんっとに良いですよね。
はじまりの国には国境は無いんだろうね。