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People In The Boxはもっと評価されるべき



2023年5月21日

有楽町ヒューリックホール

 

※セトリのネタバレを含みます

※『Camera Obscura』を未聴のため新曲のタイトルが分かりません。「これだったら良いな」とタイトル予想をしています。

※正しいセットリストを調べていません。順序間違いや抜けがある可能性があります。

 

【うろ覚えセットリスト】

・螺旋をほどく話

・戦争がはじまる?

来世来世~~で始まるやつ ゴリゴリなので攻撃的なものをイメージ

・聖者たち

―挨拶

ドッペルゲンガー

曲の前にタイトルを言ってくれたのでこれは大丈夫

・町A

・自家製ベーコン

結構ハッキリベーコンって言ってた

・中央競人場?

ラン(run)、ラン(run)、ラン(run)と聞こえた。走っているものをイメージ

・あなたの中の忘れた海

・机上の空軍

・旧市街

―MC

・(他曲からの消去法で)石化する経済?

・水晶体に漂う世界?

・カセットテープ?

・スルツェイ

・ヨーロッパ

 

People In The Boxは座席のあるホール演奏が似合うと思う。

スタンディングの方が自分の気質には合っていて、じっとしているのは正直苦手なのだが、それでも彼らにはホール演奏が似合う。

舞台は青い照明が薄ら点いていて、一夜限りの美術館の展示品のようだ、と思った。

People In The Boxの音楽にどうして惹かれるのか、自分の答えをやっと掴みかけている。

彼らはバンドという形の芸術家で、ライブは形に残らない作品である。

形に残らないから一瞬一瞬を目に耳に刻み付けたいと思うし、せめて自分が感じた事ぐらい、残したいと思うのだ。

 

 

  • 螺旋をほどく話

ずっと楽しみにしていた新曲で、GWからずっと聴いていた曲を、ライブで聴ける事が単純に嬉しかった。

音圧が凄かった。

自分が初めてPeopleのライブを見たのは中野サンプラザだったが、その時受けた”ドラムの音が心臓に突き刺さる感じ”を今回も感じた。

しかしあの時はドラムの音だと思っていたが、演奏の手元を見るにベースの音の方が強いっぽい。

ベースが心臓に突き刺さってこのバンドが好きになった。

きっかけの衝撃を再び得る事が出来て、何というか、今日は自分の感性のチャンネルがPeopleに合ってるなぁと安心した。

あー、あーああああーあー。

伸びやかなコーラスはライブだととんでもなく気持ち良かった。

音源(Youtube)だと整理整頓されている事が分かったが、演奏ではんもう3楽器の音圧がグイグイ来て耳が忙しい。

これ本当に3人でやってる?

 

  • 戦争がはじまる?

『無限会社』みがある。

ゴリゴリで重い。

照明も赤紫で怪しい感じがカッコイイ。

 

  • 聖者たち

ブログのために『翻訳機~聖者たち』のMVを見まくっていたので個人的に嬉しかった。

いや~~かっこいい。

『螺旋をほどく話』しかり、MVとライブの音圧の違いとか、良い意味での荒々しい演奏が聴けるので、MVを見まくっておく事は自分の為になりますね。

 

ダイゴマンと健太氏のゆるゆる健康トーク(後述)から一転、波多野氏の「ドッペルゲンガー。」という囁きが合図だった。

青と黄色の証明が格好良かった・・・。

点滅によって、ステージ上はシャッターを連続で切った映像のようになっていた。

早く青と黄色で絵描きたい。

これがアルバム1曲目なのかぁ。

攻めてるなぁ。

 

  • 町A

私事だが、前日は地元の方へ出張しており、当日は出張の大荷物を抱えてライブ鑑賞していた。

午前中は地元の友人と小さい観覧車に乗って、地元の風景を眺めながらダラダラ過ごしていた。

地元は千葉だが、田舎というには栄えているし、都会というには何も無い。

そして『町A』に出て来る施設はほとんどある。

典型的な日本の、国道沿いの風景。

だから『町A』は好きだ。

『町A』を聴くと地元を思い出すし、<陽の差す部屋>で『Wall,Window』を聴いていた幸福を思い出す。

 

今日は特に、観覧車に乗ったせいかもしれない。

戻ろうと思えば戻れる地元。

けど心の中から「まだその時じゃない」と何者かが叫んでいる。

地元に留まっていたら、どんな人生を歩んでいたのか想像する。

考える意味など無い事を想像する。

ノスタルジーという言葉では括れない何かが『町A』にはあって、情景描写の言葉の力は大きいんだけど、涙が出るのは演奏に依るものだと思う。

 

サビ後の演奏が本当に凄かった。

胸に迫るというんだろうか。

凄すぎて曲終わった時「あ~~~もうこれ最後の曲で良い~~~これ以上はキャパオーバーだぜ~~~」て思いました。

 

  • 自家製ベーコンの作り方

ちゃんと聞き取れてないけどおいしそうな歌詞だなって思いました。

歌詞ふざけてても演奏はガチだったので、きっとPeopleらしい曲なんだろうな~と想像してます。音源聴きます。

 

  • 中央競人場?

これ本当に3人でやってる?

 

  • あなたのなかの忘れた海

ドラム→ベース→ギター と音が増えていく前奏があまりに格好良かった。

ドラムやベースが心臓を突き刺す感じとは別に、心臓のリズムに合わせてドラムが鳴っているように感じた。

変な自覚はあるけどその時感じた事を素直に表現するなら、自分の心臓がステージにあって、ドラムの音に合わせて脈を打っていた。

なぜか「あそこに行きたい」と思っていた。

演者になりたいという意味じゃないんだけど、自分も人を感動させる側になりたいと思った。

いや、それはずっと前から思っている事だけど、今日はなんだかそういう感動だった。

こんなに沢山の人を感動させるあの3人は何て格好良いんだろう、自分もあっち側に行きたいなぁ。

 

青い照明が座席からステージに向かって順々に光っていた。

それは波のようで、ライブハウスでは出来ない演出だなぁと眺めていた。

綺麗だった。

 

  • 机上の空軍

ブログのために『Talky Organs』の歌詞を見返していたので、個人的に嬉しかった。

何気にライブではレア曲だと思う。

めっちゃ良かった。

<たっとえて、ゆーうならぁー>から<るるるる、るるるる>のコーラスまで、何だか牧歌的で平和で楽しくなる。

<宇宙より広いプラネタリウム

<意味より分厚いディクショナリー>

かなり上位の好きな歌詞たち。

伸びやかに歌われるので、気持ちいい。

 

  • 旧市街

アレンジされてる?

初めて聴くかのような新鮮な格好良さで、マジ初めて聴いた時のように「何だこの曲!?こんなカッコイイ曲この世に存在したのか!?」て思ってしまった。親の声より聴いた曲。

ドラムに近づいて演奏する波多野さん、レアだった(旧市街だったと思うんだけどなー)。

そんな・・・そんな若手バンドみたいな・・・演奏の楽しさを全身で表現しちゃうバンドマンみたいな・・・

一生やって欲しい。

 

音源のように切羽詰まった歌い方ではなく落ち着いていたが、その分サウンドが力強かった。

耳良くないから正確な事は分からんのですが、全体的に音が高めになっていた気がする。

そこにベースがもうゴリゴリに、ドゥルンドゥルンに入って来るもんだからドライブ感というか疾走感が増したというか。

ベースの存在感を強く感じましたが、ドラムももちろんゴリゴリのドリンドリンのバシャンバシャーンで非常に良かったです。

 

  • スマート製品?

スマーート!っていうコーラスがあった気がするのでスマート製品。

聖者たちの始まりみたいにベースがゴリゴリカッコイイやつ。

ギターとベースがバチバチに決めてて、間違いなくライブで見るのが楽しいんだろうな。

圧が凄かった。

今日のライブは何回も「これ本当に3人でやってる?」と思う場面があったが、この曲に関しては間違いなくベース2人位いた。(いないよ)

 

  • 石化する経済?

<ゾクゾクしてもあなたに分けてあげない>

ちゃんと歌詞を見たいカメラオブスキュラ第一位。

以前のライブで聴いた事は間違いなくある。

でも完成した今だからこそ?響いたというか。

カメラオブスキュラで一番好きな予感がする。

楽器より歌メインという感じがした。

大変そうだな~と思って聴いてたら「ゾクゾクしても~」って危なそうな歌詞が聴こえたので、「ああ・・・多分好きだな・・・」

歌詞が聴き取れなくて何を言っているのか分からないのに、サビで急にクリアになってキラーフレーズを”聞かせ”て来る曲に弱い。

これはそのジャンルに入る。

 

  • 水晶体に漂う世界?

ポップでキュートでキャッチーでJ-POPみたいなピープルインザボックス!!

え、こんな曲作れるの??ユニゾンナントカガーデンかと思った。アニソン起用してもろて。

なんですかね・・・なんか可愛い曲でした。

 

  • カセットテープ?

これがカセットテープだったら良いな、と思った曲。

この曲を聴いている最中に「今日の17時半に巻き戻って欲しいな。もう一回17時半からやり直したいな。」と思ったから。

 

  • スルツェイ

聴けたら嬉しいな~と思っていたので大ビンゴ神に感謝。

<まだまだ君は生きなさい>って歌詞はとても強い意味があり好きなのだが、シャウトはしなかった。

その後の凄まじい演奏が雄弁で、「生きろ」と言っているように感じて、本日何度目かの涙が流れた。だいぶ流れた。

位置的な問題かもしれないが、ギターとベースの距離が近く感じたのと、タイミングを測っているような様子が見られてレアだった。

「ドドドド テーレレー↑テーレレー↑」(伝わる?)のピッタリ合わさる演奏、聴く側としては慣れてしまったかもしれないが全く当然ではない。凄い。

 

  • ヨーロッパ

新曲がリリースされ続けても、トリを飾る回数が圧倒的に多いであろう『ヨーロッパ』は凄い。

ギターとベースの準備中?ドラムがイントロを3回程焦らすように演奏していた。

波多野さんが頷いて、満を持して演奏が始まった。

 

ポエトリーリーディングがやっぱり好きだ。

今日は割と淡々としていて、演奏に力入ってんな~とのほほんと聴いていた所へブチ込まれるラスト。

「きみの胸騒ぎが本当になるといいな!」「ああ!―――――――――――――!!!」言葉にならないシャウトがめちゃくちゃ良くて、いやこっちが「うわああーーーーーーーーーーーーー!!!」て叫びそうになった。厳禁。最悪の場合出禁。

後奏やばかったですよ。

ベースが速すぎていや、え、いや、え??早送り???

ギターもめちゃくちゃ熱くて、全身全霊という感じだった。

 

また個人的な話題で恐縮だが、創作活動において「きみの胸騒ぎが本当になるといいな」な出来事が起きようとしている。

『ヨーロッパ』を初めて聴いた時の、このバンドに対するワクワクの胸騒ぎじゃなくって、自分の力を試せるかもしれないドキドキの胸騒ぎが起きようとしている。

計画は頓挫するかもしれない、とは言われている。

それでも挑戦できる舞台があるなら全力で飛び乗りたい。

ステージごと無くなる可能性があったとしても、今は考えなくていい。

だから今日の『ヨーロッパ』は応援歌だった。

今日の『スルツェイ』は応援歌だった。

『あなたのなかの忘れた海』に憧れた。

 

どうしてこんな良いバンドを誰も知らないんだろう。

べつにバズったりしなくて良いんだけどさ。

彼らは音楽に誠実すぎて、演奏以外に自分らを魅せる方法が少ないように思う。

べつにそのままで良いんだけどさ。

ただ少しでも多くの人にPeople In The Boxの良さを説明するために、あえてチープな言葉を使うとすれば”もっと評価されるべき”だ。

自分の事が片付いたら、次はPeople In The Boxがもっと評価される世界を願って胸騒ぎが起きるだろう。

<きみ胸騒ぎが本当になるといいな>

 

 

ダ「最近、流しにお皿運んでるだけで肩痛めたの。こんだけドラムやってて、大体痛める所って決まってんのよ。手首、俺だったらスネの前の筋肉。なのに、皿運んだだけで肩。健太もね、もうすぐ来るよ。」

健「俺、10年前から2人に「もうすぐ来るよ」って言われてるから気を付けてるよ。」

波「こんだけ健康に気を遣っている2人(ダ・波)なのに・・・」

ダ「だって(健)、酒も飲むしタバコも吸うでしょ?」

健「でも何も無いよ。気にしすぎない方がいいんだよ!」

(会場から盛大な拍手。)

 

ダ「Tシャツの色、ナチュラル。ナチュラルってさぁ・・・」

健「・・・」

ダ「・・・」

ダ「ガムの味でナチュラルってあったらどう?」

健「ガム・・・」

波「怠慢だよね。」

会場「!?」

ダ「人によって違うもんね。ナチュラルって。」

波「”光生まれる前の漆黒こそがナチュラル”って言う人がいるかもしれないしね。」

全員ツボった。

 

  • MC:タオル

ダ「この熊は強いんですかね?」

健「うん、強いよ。本当はね。でも爪を隠してる。」

ダ「強いけど・・・爪を隠している??」

健「優しいの。」

ダ「優しい熊だそうです。」

 

  • MC:カレー

(ダイゴマンがドクターペッパーに20種類のフレーバーがあるって話からスパイスの話になってスパイス=漢方説を波多野氏が唱えた というくだりがあります)

波「カレーってさ、スパイスを煮込んだものでしょ。あれ、外から来た人が”カレー”って呼んで、インドの人達が”これカレーって呼んで喜んでくれてる~”と思って自らカレーって名乗ったらしいよ。」

ダ「え?(カレーという物に名前が)無かったって事?」

波「そうそう。彼らにとっては”スパイスを煮込んだもの”で、こだわりは無かったんだよ。そういう・・・。・・・良い話。」

 

波「アールグレイってあるじゃない。ダージリンはインドの産地からだけど、紅茶の種類としてアールグレイ産があるわけじゃなくて・・・」

ダ「ん?アールグレイさん?」

波「アールグレイさんって人じゃないよ。」

ダ「あ、俺サンドイッチみたいな事かと思った。サンドイッチ伯爵みたいな人がいて・・・」

波「アールグレイ伯爵。」

ダ「そうそう(笑)」

波「いや、アールグレイって、”ベルガモットの香りをつけた紅茶”の事を言うんだって。お茶ってウーロン茶とか一緒じゃない。」

ダ「緑茶も一緒の茶葉らしいね。」

波「それを知って・・・あ、(会場に)知ってた人いますか~?」

会場「(思ったより大勢が挙手)」

ダ「1人ステージに上げるか!?本当に知ってたかって!?こんなにいるとは思わなかった!」

波「それだけ文化レベルの高い人達がここには集まっていると・・・」

会場「(拍手)」

波「だっておかしいもん。アールグレイはおいし過ぎる!!おかしすぎるから調べたらそういう事が分かって。」

アールグレイはおいし過ぎる!!の所で健太さんがコクコク頷いてたのが微笑ましかったです。

ピープルみんな紅茶好きなんだね。優雅だね。グッズ待ってます。

 

  • MC:CD

波「これ以上は無理という所までやった作品です。これまで通り、長い時間をかけて意味を持つものになっていると思うので・・・。友達にも「これ良いよ」って勧めてください。・・・しなくていいですけど。

楽しんでください。あとは・・・褒めて欲しいです。(会場から盛大な拍手)実は僕たち、とても褒められたい人達なので・・・。(今の拍手で)伝わってます。伝えてるし、伝わってます。」

 

  • MC:グッズ紹介より長くなってしまった雑談たち

ダ「話し過ぎたね!!!」

他の人はどう思ってるか分かりませんが自分は永遠にやって貰って大丈夫でした。

でももしかしたら、話し過ぎて時間無くなってアンコール無かったのかもしれませんな!!笑