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大団円3回行って比べてみた

 

 

【うろおぼえセットリスト】

※3回目にしてちゃんとカメラオブスキュラ聴き込みました。曲順は自信無いですが曲名は大丈夫です。

 

螺旋をほどく話

スマート製品

戦争がはじまる

聖者たち

完璧な庭

 

自家製ベーコン

町A

 

ドッペルゲンガー

旧市街

あなたのなかの忘れた海

石化する経済

机上の空軍

カセットテープ

 

中央競人場

水晶体

ミネルヴァ

スルツェイ

ヨーロッパ

 

 

  • スマート製品

音源聴き込んでからライブ見て良かったNo.1

轟音で始まるぶん間奏のギターが耳に残る。

間奏の演奏手元を見るために大阪追加したと言っても過言ではない。

「捧げて」が好きすぎる。

あとグイングインのベースも見られて良かった。カッコよかったー。

 

  • 戦争がはじまる

音源聴き込み率No.1

若干喉の調子悪いのかな?と感じたものの、ちょっとザラついた感じがめちゃくちゃ良くて、喉しんどいとは思うけどこのまま行って貰っても良かった。この後普通でした。

「ベイビー 錆びたリュックをくくりつけ」から始まる一連のサビの、演奏風景を見たすぎて大阪追加したと言っても過言ではない。

いや〜〜ギター上手いですね!!(混乱)

ベースも上手ですね!!(錯乱)

サビに向かって盛り上がっていく、ドラムの緩急のつけ方が大好き。(正気)

またライブで聴きたい。見たい。

 

  • 完璧な庭

小さく歓声が上がった!わかる!

来た甲斐あった。

いつなんぼ聴いてもええですからね。

サラッと弾いてるけどやっぱエグいよなぁ。

 

  • 自家製ベーコン

スルメ曲。

聴けば聴くほど好きな箇所が出てくる。

乾いたドラムの音が気持ちよかった。

<心に闇などない>って出だし、良いっすよね~~

 

  • 町A

5年前の大阪でも聴いたなぁと懐かしくなった。

あの時と住む所も変わったし、同じ感情は抱かなかった。

ただただ揺れる会場の人影と、ともに体を揺らす事が楽しかった。

3人のコーラスは迫力があってやっぱり好き。

喉も楽器の一つと数えているので、単純に楽器が6つに増えるわけですからね。

てか全員歌いながら演奏できるPeopleが凄いよな。

 

こっちもスルメ曲。

音がただただカッコよくて集中しちゃったので、歌詞に浸りたかったら音源の方が良いかも。

カッコいいー。今後もライブでやってくれー。

 

  • 旧市街

Camera Obscuraがループ構造になっているという解釈を読んだ事もあり、王冠を瓜二つの人物に渡してループする『旧市街』のPVを思い出して、勝手に鳥肌を立てていた。

osouonna.hatenablog.jp

 

  • あなたのなかの忘れた海

演奏終了する時、ギターの弦の音だけが余韻を残して消えていった。

とても良かった。

 

  • 石化する経済

演奏風景を見ていると、カメラオブスキュラの中で一番シンプルな曲だと思う。

東京公演で“楽器より歌がメインぽいから大変そう”と感じたが、それを思い出した。

こちらとしては存分に歌を聴かせて貰って非常に嬉しいです。乗りに乗ってました。歌うまいなー。(語彙力0)

 

  • 机上の空軍

他公演よりスローテンポだった。

ゆっくりのんびり進んでいくのも、良いですなぁ。

 

  • カセットテープ

最後のコーラス永遠にやって欲しい。

 

  • 水晶体

主旋律(?)となるメロディを弾くのがベースでびっくりした。

曲が始まる前、あの「るーるるーるる」にあたるメロディがベースで弾かれていた。

あの低音のるーるるーるる、めちゃくちゃワクワクした。

そっからの、バチンと照明が点いて演奏が始まるわけですよ。

アッガる〜〜〜〜!

好きな曲だから最高なのは勿論だが、ダイゴマンがコーラス時は手元見ずに叩いてるのが凄すぎてずっと見ちゃいました。

マイクが観客側にセットされてるじゃないですか。

観客側をずっと見ながら叩いてるんすよ…何が起きているんだ…

今回久しぶりにドラム側で見られたのですが、改めてヤバさを突きつけられましたね。

 

  • スルツェイ

私事だが昼間に映画『怪物』を見た。

「君はかわいい怪物のようだった」でバチンと映画の場面を思い出して、そこからどんどん映画とリンクしていった。

観てない方は是非。

(歌詞だけじゃなく音楽の雰囲気自体が『怪物』に合ってると思う。)

人の動きが若干あって、ドラムが見えづらくなった代わりに波多野さんがよく見えるようになった。(中央の福井氏は永遠に見られました)

ベースがドラムをよく見て音合わせてるのが分かった。

3楽器のパワーバランスを調整する事も、スルツェイのように同じパワーで全員演れるのも、本当に凄い。

間奏、圧巻。

 

  • ヨーロッパ

「中毒 中毒 中毒」

様々なバリエーションの中毒をどうもありがとう。

叫ぶでもなく語りかけるでもなく、只正面に言葉を突き刺すような最後の「君の胸騒ぎが本当になるといいな。」

3公演(5月東京、6月京都)行って、1度も同じ歌い方でなかった。

様々な表現で聴けた事が幸福だった。

いつも通り、後奏は圧倒されるし目が忙しいし、それがいつも通りである事に改めて敬意を感じた。

MCで言っていた“妥協せずに”という言葉は嘘じゃないと信じられる。

妥協したらあんな演奏は絶対にできない。

 

 

 

~以下、MC覚え書き~

 

  • あいさつ

波「湿気の中…元気ですか?」

 

  • ラジオとセンス

ダ「昨日、ラジオの生放送に僕と健太が出演しました。聴いてくれた人分かると思うけど、め〜っちゃ褒めてくれるのね。俺も健太も、もちろん波多野くんもだけど。」

波「バンドマンが儲からないという事が徐々に分かられて来て…いや、僕達は儲かってますよ?今日も自家用ジェット機で来ました。」

ダ「伊丹空港まで。」

波「そんな中…People In The Boxを呼ぼうなんて、それだけでラジオの気概がね。センスありますよね。」

ダ「パーソナリティの人もお客さんもそうだけど、センスあるよ」

波「(梅田クアトロ)多分、今日ここに500人くらいいると思うんですけど…普段こんなにたくさんの人が聴いてくれてると実感の無い生活をしているので…こんなにたくさんセンスのある人達が集まってくれて嬉しいです。カメラオブスキュラのCDは映画のように、細かい所まで作り込んでいますが。ライブではカメラオブスキュラの世界を立ち上げるので…楽しんでください。」

 

  • 南の島

ダ「今日初めてPeople見る人〜?…結構いる。

どこに隠れてたの?15年前から待ってたよ!」

ダ「ちなみに今日、自分が一番遠くから来たと思う人〜?どこ?」

石垣島

会場「!?(拍手)」

メンバー「!?」

健「行ってみたぁい…」

波「僕と福井氏は割と南の方の島好きだからね」

ダ「………   似合わないよ?」

ひどい笑

ダ「僕は家族で沖縄行きましたね。」

波・健「いい↓なぁ↑〜〜」

インスタに半裸の俺の写真あるから今いいねして。今。」

健「(笑)」

波「2015年か2016年…9年前沖縄行った時に、滞在しようとしたんだよね。」

健「都道府県ツアーの時だね。」

波「演奏はちゃんとやるよ?でもその後はもう…凄いよって」

ダ「したの?」

健「いや、台風来てたんだよね。確かバンドで用事があって。」

波「明日飛ばなかったら帰れなくなっちゃうから、安全なフライトで帰った」

近くの人が「福井氏…」ってボソッと呟いたのおもろかった

心の底からの「いいなあ〜〜」もおもろかった

 

  • イギリスのキッズ

波「Spotifyの、全世界で一番聴かれてる国はアメリカだった(笑)」

ダ「アメリカ行きたいね!むしろ呼んで!」

波「アメリカには…センスのいい人が多いですからね。」

ダ「11年前ぐらいかな、僕らイギリス行ったんですよ。リヴァプール。(現地の人が)ナメてるんだよね、JAP!みたいなさ」

波「そんなことはないと思うけど(笑)」

ダ「だって覚えてるもん!ドラムの位置が真ん中だったから、前に出したいって言ったら『できない』って言うから、俺キレて『じゃあもう帰る』って言った。通訳さんが一番焦ってた(笑)何とか通訳さんが言ってくれて、『フン!』って感じでドラム動かしてくれたの。で、始まったらさっき『フン!』てしてたキッズたちが柵越えてるわけ。で、俺らの後ビートルズのパクリみたいなバンドで、そのドラムは上手いんだけど、ペダルが壊れちゃったみたいで。さっき『フン!』ってしてたヤツのペダルを直してあげたんだよ。終わった後めちゃくちゃハグされた。」

波「良い話だ。…そういえばアンプも1以上にするとダメだったなぁ。イギリスは古い建物を大事にするから…1以上にすると建物ごと揺れる。だったら1以上の目盛を作らないで欲しい…」

ダ「向こうの電圧がね。ガンッッて上がっちゃうんだよね。」

 

  • こんばんは

ダ「こぉんばんはぁ!」(エコー)

会場「こんばんはー!」

ダ「…良いね。エコーかけると横浜アリーナみたいな響き方するね。(お客さん向けに)エコーかけてこんばんは言える権利売る?500円で」

 

ダ「グッズを作りました…Tシャツです!」

会場「(拍手)」

ダ「大丈夫?知らないおじさんが町角で『Tシャツです!』って言ったら拍手するの?しないよね?…俺だからみんな拍手してくれてんだよね!」

会場「(拍手)」

何このノリ笑

ダ「みなさんの中のナチュラルを思い浮かべてください。…この色(Tシャツ)ナチュラルだと思う人〜?」

会場「(ちらほら)」

ダ「そしてこちら…(もう一枚Tシャツ)白に見える人〜?」

会場「(いっぱい)」

ダ「でもこれオフホワイトなんです!…いや待って。俺が勝手にオフにしてるだけかもしんない。(確認中)…これは白です。気合の入ってる白。」

健「…オンって事?」

ダ「そう。オフじゃない時の白。」

気合入ってる白(オンホワイト)でめちゃくちゃ笑った。悔しい。

 

  • こんばんはの完成度

ダ「昨日梅田歩いてたらさ、トートバッグ持ってる人いない。梅田って近所のスーパーみたいな感じじゃ無くて、ちょっと気合入れてく所?どうなの?」

会場「(うん…まあ…)」

ダ「どうなの?」

波「さっきからね、高熱の時見る夢みたいな光景だと思ってる」

ダ「(笑)」

波「こんばんはー!(元気)ぐらいからずっと。」

健「(笑)」

ダ「俺、年々こんばんはー!上手くなってる気がするんだよね」

波「こんばんはの完成度は確かに。」

ダ「こんなに声出るアラフォーいないよ?年々声が通るようになってる。」

健「でも今だに慣れない。」

ダ「えっ?」

健「いつもビビる。」

ダ「(笑)」

 

  • フライトタグ

ダ「この前仙台(ライブ)でPeopleのTシャツ着てる人いたから『ナイスTシャツ!』って声かけたらさ……その人スーッと行っちゃった。」

会場「(笑)」

健「メンバーの顔知らないんじゃない?」

ダ「え!?ライブ見てるのに!?」

健「うん。だから先に『ライブ見ました?』って声かけた方がいいよ。」

ダ「『ライブ見ました?ナイスTシャツ!』って?」

健「(笑)」

ダ「そういや使ってる駅でもフライトタグつけてる人この前見たの!…ナイスフライトタグ!って声かけてもいい人どんぐらいいる?」

会場「(割といる)」

波「でも我々中年男性は色々気をつける事が多いから…『自称バンドマンにナイスTシャツ!って声かけられました』なんて言われたら…」

ダ「自称バンドマン…(笑)」

健「自称バンドマンって何なんだろうね。バンドマンって悪いイメージなのかな。」

波「悪いでしょ〜!褒められる事も無いしさ…」

会場「\かっこいいよー!/」

波「えっ………何、急に……そういうのは逆効果…………ありがとうございます………」

隠を感じて安心しました。分かります分かります。

 

  • CD

ダ「あとCDです。」

波「CDは何より綺麗ですからね。裏面とか。あと鳥を避けます。」

何だと思ってるんだろう(笑)

波「たぶららさっ……。タブララサが出てから3年半。……口ではタブララサって言おうとしたんだけど、口がカメラオブスキュラになっちゃった。3年半…変わった事もあれば変わらない事もあって。僕たちはこれからも妥協せずにやります。」

凄く良い言葉だなと思った。

 

  • 残りわずかとなりました

ダ「People In The Box…残りわずかとなりました〜!」

会場「えーー!」

ダ「良いねぇ〜。あと何曲やると思う?」

会場「10曲」

ダ「10曲!?(笑)…いい感じにやってくんでよろしくぅ!!」

 

 

 

人生最初で最後の遠征、と思い東京・京都・大阪へ行ってみた。

題を「比べてみた」としたが、比べたかったのはその土地ごとの雰囲気である。

結論から言ったら、大阪が一番楽しかった。

 

東京が一番行きやすくはあるのだが、他の土地へ行ってみて実感した。

東京は人が多すぎる。

人の目を気にしてしまう。密度が高いから気を遣う。

これは悪い事ではなくて、東京で生きていく以上必要なサバイバル術だ。

日本第二の都市大阪は、思ったより人口密度が高くなく、丁度良い人の隙間と、(大阪だから、かは分からないけど)メンバーからの投げかけに自然に答える人が多くて楽しかった。

腕を上げて楽しむ人、間隔を空けてゆらゆらリズムを取る人、度々湧き上がる歓声。

その中に入る事は(関東人でもあるし)難しそうだけど、また大阪でライブを見てみたいな、と思った。

観客も含めて鑑賞に値する。

 

5年前に大阪へ行った時、めちゃくちゃ長文の『町A』の感想を書いた。

「これを読んでもらうために、出来る限りの事をしよう。」

全曲感想を始めた理由の最後の一つは、実はこれである。

読み返すと、少し梅田という場所についてネガティブな気持ちを抱いていた。

変わったのは、町か自分か。

何にせよ、停滞せず流動していく感想に、感情に、健全さを感じて良しとしよう。

 

流動は健全だと思う。

3公演のどれも、People In The Boxはエネルギーに満ち溢れていた。

前述の通り、『ヨーロッパ』は様々な表現を見せてくれた。

そして「また見たい」と思わせてくれる、旅に出る動機を与えてくれた。

感じて動くと書いて感動。

大団円を追いかけたのは、感動したからだった。