YOMUSIC

読む音楽 ライブ感想・曲感想など。使用している画像は全て自作です。 X:@tbk_pd

ヨーロッパ

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個人的に"ラスボス"と呼んでいる。

音の圧力、歌詞の世界観の凄まじさ、最後に待ち受ける圧倒的なカタルシス

それまでどんな曲を聴いていても、ヨーロッパの前奏のためにドラムが鳴り出せば、一瞬で我々はその世界に没入させられる。

 

半分はポエトリーリーディングになっていて、歌ではなく、セリフのように言葉が紡ぎ出される。

ラップとも違う。韻を踏んでいるわけじゃない。

なのに音やリズムとぴたりと合って、"音楽"というものの気持ちよさを柔らかくぶつけてくる。

ふわふわのお布団がぎゅむぎゅむと体に押し付けられる感じ。

掴みどころのない、目に見えない、だけど確かに感じられる音の"G"(Gravity/重力)。

 

"ヨーロッパ"というタイトルから素直にヨーロッパ的なモチーフや歌詞が登場するわけではない。

何がヨーロッパなのか。

"革命"や"シチュー"は連想できる気もするけれど、かろうじてという感じで、断定するには弱い。

あれやこれやと考えているうち、気づけば長い語りに入っていて、その心地よさに身を任せていたら、油断。「レイトショーを観に」行く時にはもう、感動すら覚える音の盛り上がりの中に居る。

 

「きみの胸騒ぎが本当になるといいな」

 

今の所、この人生において、この歌詞以上に、心を震わされた歌詞は無い。

解釈はいくらでもある。

正解は無く、聴いた人それぞれが答えを持つんだろう。

 

"胸騒ぎ"という言葉は、正しくは心配事等で心が落ち着かない事を指すけれど、このどこまでも広がっていくような演奏を聴いていると、正しい意味で使われている気がどうもしないのだ。

だって全然ネガティブに聴こえないんだもの。

 

未来への期待を心に想う時、胸がざわつかないだろうか。ときめかないだろうか。

"これから何がはじまるんだろう。何をやってやろう。"と心臓が高鳴っている時、血液がポンプから排出される時、心臓は痛みを伴っていないだろうか。

この痛みは、心臓の高鳴りは、胸騒ぎに他ならない!

 

分かりやすい応援ソングは沢山ある。とても素敵だし大好きだ。

だけどこの曲は違う角度から、確かに人を応援する曲だと思っている。

歌詞の事を言っておいて難だけど、演奏(音楽)自体が、言葉に頼らず、背中を押してくれる感触がする。

後奏は、何か素敵な事が始まるような前触れのように聴こえる。

美しい夜明けのような。

 

だけど""胸騒ぎ"を"本当"にするのは、我々自身の手にかかっている。

あなたが新たな門出を迎える時、"ヨーロッパ"が穏やかに流れ、『何か良い事が起こるよ』と祝福を授けてくれる。

 

初めて聴いた時、聴き終わった時、曲に圧倒されてしばらくぼーっと天井を眺めていた時。

あれから、1度も曲の解釈が変わった事は無い。

これは、未来にときめいてる人への応援歌だと思う。

だから聴くたび、私は未来にときめきを持つ。

 

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絵の小噺

描きたいモチーフが多すぎる。

「暴動に荒れるチョコレート中毒」

「重力というピンによって地球に打ち付けられた標本のようだ」

「何かの為には生きてはいけないから永久に泥のように微睡んでいたいのだ」

画をイメージしたくなる歌詞が多いんですよね。大変素敵だ・・・。

今回入れなかったモチーフを入れて、またヨーロッパをテーマに描いてみたいです。

 

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ご挨拶

いつも閲覧ありがとうございます。

毎週、「閲覧数がゼロじゃない限り来週も続けよう」と決めてやってきました。

お陰様で休まず投稿出来ました。本当にありがとうございます。

 

よいお年を。

心の底から、幸せなよいお年を!

 

 

 

昏睡クラブ

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歌詞は、2つの角度から読み取れる。

"きみ"は眠り続けているが、本当に眠っているのだろうか。

それとも、永遠の眠りについてしまったのだろうか。

 

緊張感のあるAメロの演奏。

歌詞の意味は簡単には読み解けないのだが、とにかく何か、悪い事が起こる前触れのような。胸のざわつく言葉が並ぶ。

固唾を飲み疾走した先で、途端にテンポが変わり、ゆったりとしたサビに突入する。子守唄のような優しい音楽の。

『100個の目覚まし時計 きみは眠り続ける

ぼくはひとつひとつ アラームを解除していく』

アラームを解除したら、"きみ"は目覚めるのだろうか。

それとも、"ぼく"は永遠に"きみ"が目覚めない事を悟って、静かに眠らせてやるためにアラームを解除しているのだろうか。

 

『各フロアの監視カメラが同時にとらえる

誰もが気付いてはいない 灯りが落ちる』

ここも角度は2つ。

監視カメラがふたりを見張っているという、怪しい展開。

もう1つは、"ぼく"が"きみ"を起こさないよう、灯りを消した事を知っているのは監視カメラだけだった、という優しい目線。

"監視カメラ"という単語は怪しさや気持ち悪さを伴うけれど、その後に続く優しい音のせいか、不思議と不気味な意味、以外も感じられるのです。

 

『100個の目覚まし時計 きみは眠り続ける

マネキンのように 耳鳴りの中で

 

ぼくは それに触れる』

"それ"と明確に示されていないので、何に触れたかは想像に委ねられている。

目覚まし時計に触れれば、"ぼく"は"きみ"を起こすためだか起こさないためだか、とにかく100個の長い長い道のりを続ける事になるだろう。

"きみ"に触れるという可能性も考えられる。けれどその場合、もはや"きみ"は物として認識されてしまっている。永遠に目覚めない事を悟り、触れるのだろう。

 

もう1つ考えられるんだ。

目覚まし時計のアラームを解除しても"きみ"は目覚めない。事を知った"ぼく"は、"きみ"に直接触れて、起こそうとする。

アラームには頼らないで。

その先の物語は、曲が終わってしまうから読むことは出来ない。

想像に委ねられている。

 

 

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ずっと、この曲は昏睡(目覚めるか分からない)してしまった彼女に対し、無益な努力を続ける主人公の歌だと思っていました。

だけど、改めて歌詞を見ると、「2つの角度から見れるなぁ」と思えたので、文章を書き始めたんですが、最後の行だけ、「3つ目の角度があるな…!?」となって筆が止まってしまいました。

どれが正解、とか無いだろうし、この3つ以外にも解釈出来るんだろうと思います。

だけど、歌詞の続きにある物語を感じられた時、幾度目かの「Peopleすっげぇ・・・!!!」という高揚感を味わいました。

音楽的にも、こう、分かりやすく全然テンポ違うじゃないですか。

あらゆる技を見せつけられている感じがして、曲展開、非常にアガります。

そして『昏睡クラブ』というタイトルもね。

映画だったとしても小説だったとしても、何の媒体でもフックになる、素晴らしいタイトルだと思います。

ふたりしか所属していないけれどね。

そこがまた良いと思います。

ふたりだけの、秘密の昏睡クラブ。

 

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絵の小噺。

100個の目覚まし時計を描こうとして、これまで2回挫折しています。20個ぐらいで「無理!」ってなってました。

でもブログを始める事によって、逃げられない状況を作れば、100個描けるんじゃないかと思ってました。

描きたかった絵の一つです。無事完成出来て良かった。

 

平日の夜に、ゲーム実況を見ながら20個ずつ描き進めていました。

なんというか、上手く言えないんですけどとても幸せな時間でした。これから先の人生でも、この1週間は幸せだったなぁと思い出すんだろうな。

 

 

 

月曜日消失

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タイトルには入っているのに、歌詞に"月曜日"は登場しない。

代わりに現れるのは「夜が更けたまま明けぬ日曜日」。

この表現、素晴らしくないですか……………

0時を超えたら一応次の日、だけど夜が明けなければそれはまだ今日の日。

感覚的というか、詞的というか。

"朝が来たら明日になってしまうから、ずっと真夜中でいいのに。"と願っていた夜を思い出す。

 

「勉強しなさいってママが言った

深い場所までは声は届かない」

この歌詞も好きですね……………

夜の底で横たわって、ママの声ではなくこの曲を聴いて目を閉じる。

 

"夜の底"は正しくは『夜の深い闇を表す語』だそうです。(goo辞書三参照)

綺麗な日本語だと思うけど、もっと感覚的な物だとも思う。夜の底。

 

穏やかではあるけれど、夜の憂いや、そこはかとない哀しみを感じるような演奏。

月が明るすぎて空が青く見えてしまう夜に聴きたい。

歌詞にラクダが出てくるけど、ラクダの歩調のような、なんとなくのんびりとした曲調。

間奏のテッテレレッ⤴テン↷テッテレレレレン↘、大好き。

砂漠で星が煌めいているような音。

 

「きみは今まで何度死んでは生き返ったの?」

前トラック、『レントゲン』に繋がっているような一文。

なぜこの問いかけをしたのかは分からないけれど。

 

「排水溝のなかラクダに乗って

絶望したきみに会いに行こう」

ここは今までの曲と比べて、"救うこと"に対して大分積極的に感じる。

個人的には、白馬に乗った王子様よろしく、ラクダに乗ってのんびり絶望の底にいる"きみ"のもとへ行こうとしているように感じる。

 

「きみの合図でミュージックスタート」

ここで一気に音が加速するのが気持ちいい。

言葉通り、ミュージックがスタートする。

 

「きみはたった一夜にして 別人になった」

夜の底でラクダの王子様を待っていた"きみ"は、何度目かの生まれ変わりを果たしたのだろうか。

絶望しきっていた"きみ"が立ち上がるまでの曲、"月曜日消失"。

ラクダの王子様が直接、"きみ"の再生に関与していなさそうな所がピープルらしい。

ただそこに在り、"きみ"のことを視ている。

 

だからたまに、無性に聴きたくなるんだろうか。

背中を押されたいわけじゃない、だけどただ無言で、誰かに隣に居て欲しい夜。

目を閉じれば、あなたのラクダの王子様がゆっくりの歩幅でやってくる。

 

 

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絵の小噺

エドワード・ゴーリーみたいなの描きたい!』と思ってペン画にしたのですが、またしても指が爆散しかけました(アリアぶり2回目)。

楽しかったけどところどころヤケになってるのが分かって恥ずかぴ。

 

 

レントゲン

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こういう言葉で表現していいのか分かりませんが、名曲。

もっと良い表現があると思うんだけど、自分の引き出しには入っていない…。

 

キラーフレーズばっか。

「朝焼けがいつも投げかけるエックスレイ

ぼくは一瞬だけいないはずの存在になる」

「白昼夢が続きますように」

そういや、動画サイトのメドレーでもサイレンめっちゃ聴いてたな。なんじゃこりゃ、すげぇ曲だって。

 

「耳栓を外したら

大きな音の秒針にステップを」

サビ前の助走ポイント。

音と言葉が軽やかに合わさっている。

歌詞通りステップを踏むように軽やかな助走をつけるが、一転。重厚感のある演奏に休憩無しで飛び込んで、それまでの曲調と表情を変える。

音の重厚感に負けないぐらい強い言葉の「白昼夢」。

「すれ違うベビーカーでまた会おうぜ」と、他の曲より大分わかりやすい死の描写。死というか、生まれ変わりか。

 

歌詞の解釈的な物は、他の曲に比べると、若干わかりやすいかと思います。

朝焼けがいつも投げかけるエックスレイは放射線(レントゲン)を表しているだろうし、一瞬居なくなるのは透過されているのだろうし。

朝日が世界を照らす事を、「虐殺のスタートだ」と表現するところが"らしい"。

やはり逆説的に物事を捉えるこのセンス、凄い。

 

8/9に上げたアコースティックライブの感想(https://tbk-pd.hatenablog.com/entry/2020/08/09/181948 )で『「ここは希望の国」「ここはとても広い霊安室」に皮肉を感じる』と書いていたが、状況はあまり変わっていない。相変わらずここは希望に満ちた霊安室。もしかしたら、どんな状況でもどんな時代でも世界というのはそういう物なのかもしれない。そう考えると、これは普遍的なフレーズと捉えられますよね。語り継がれるおとぎ話のように。

 

皮肉的・悲観的なフレーズばかりではない。

「プールはただ脈打ち、ひるがえる」

「終わりかな?はじまりだよ

こうして僕ら生れ変わるんだ」

素敵な表現も素敵な音楽に乗って聴こえてくる。

「ひるがえる」って素敵ですよね…。

弱い風に吹かれて、ぱしゃぱしゃと波打ってるのが想像できる。

 

使われる言葉はそれだけで見ると悲観的な物だけど、曲として聴いた後には清々しい気持ちになるのが不思議。

朝の光で一瞬いなくなった"ぼく"が"生れ変わった"からだろうか。

『レントゲン』を聴くことで"ぼく"の追体験をした我々も、生れ変わっているからかもしれない。

朝が来るたびに生れ変わっていると解釈すれば、とてもとても前向きな曲と言える。

 

ライブの話。

優しい語り口で「朝焼けがいつも」と始まれば、空気が変わる気がする。みんな、この曲を待ち望んでいたかのように。

静かに演奏される楽器に耳をすませていると、いつの間にか感情がほとばしるかのように楽器が火を噴くサビに突入している。

レントゲンが終わった後の客席の静寂と、舞台上の熱の余韻は何度味わっても良いものです。

何度でも生れ変わりたいから、ライブで聴きたくなるんでしょうか。

聴き終わった直後の体の火照りは、いま生きている事を実感させてくれます。

もしかしたら、聴いている間は死んでいるのかもしれないですね。

 

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絵の小噺

クリスマスローズ花言葉は"狂気"だそうです。

そんなぁ……………。

 

 

ヤバT仕事しすぎィ!!

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目に見えない物を生み出す仕事をしている。
音楽は"人の感情以外は何一つ、生み出さぬ仕事"かもしれない。
だけど素晴らしい仕事だという事を知っている。
少なくとも、我々 音楽が好きな人間は。
 
自分の仕事は素晴らしいと言えるだろうか?
毎日同じ事の繰り返しを狭いデスクの上で繰り返している。
何かを作り出せもせず、誰かを楽しませる事もできず、必要とされてるのかされてないのか、実感の湧かない仕事。
 
ヤバTの仕事はどうだろう。
面白い曲を作り出し、楽しい曲を繰り返し、狭いステージもどでかいステージも絶対に全力の、バンドという仕事。
我々が必要とした、ヤバイTシャツ屋さんの4thアルバム『You need the Tank-top』感想です。
 
 
01.Give me the Tank-top
 
タンクトップという言葉に隠して、"音楽"だったり、"ライブ"だったり、"楽しさ"だったり、"面白さ"という意味があるんだろう。
We need the "Tank-Top(音楽)(ライブ)(楽しい事)(面白い事)"という意味なんだろうな、ととりあえず1周聴き終わってそんな事を思いました。
 
おもろい事をくれ!!とがなりながらブチかます1曲目。
「ギーブミーギーブミー」の気持ちよさ。無条件で体が流れる。
相変わらず音はカッコよく気持ちよく。歌詞はめちゃくちゃだなぁ、と笑ってしまったけどぼぼちゃんの「タンクトップ!」が可愛すぎてどうでもよくなる。
可愛くない?え、待って可愛くない?
え、待って………かわE!!!!!!!!!!!!!!
 
02.泡 Our Music
 
タイアップ1個目。(クラシエ/いち髪 CM楽曲)
このCM川口春奈ちゃんも含めみんな楽しそうで可愛くて好きでした。
 
「Shout you!」の楽しさといったら。むっちゃ楽しい。
ライブ会場でみんなで一斉に飛び跳ねたり歌ったりできる日を夢見つつ、今は自分の部屋で1人、元気に飛び跳ねています。
 
「厳しい毎日耐えれへんくてね バタン、キューなってまう前に」
ここも好き。
厳しい毎日耐えれへんくてねって優しい歌い方と、バタンキューって言葉選びがカワイイ。リズムと合ってて気持ちいいのもたまらんです。
 
タイアップの時は企業や商品に合わせた言葉遊びがあるのも楽しみの一つ。
「新しい暮らしへ!(クラシエ!)」「Crush it yeah(暮らしへ)(クラシエ)」
1日終わってバタンキュー、お風呂入ってリセット、新しい明日へって意味と、クラシエ(企業)との癒着を掛けたワンフレーズ。天才か。
 
そんなつもり無かっただろうけど、今聴くと『新しい生活様式』にも掛かっているように聴こえる。天才か。
 
でも歌詞が途中で赤ちゃんプレイみたいになってしまうので取り消します。
 
03.J.U.S.C.O.
 
歌詞ちゃんと見なければスゲェかっこいい洋楽のバンドかと思った。
Just go on now(行くしかねぇー!!)だと思い込んで歌詞見たら「ジャスコイオーーーン!!」だった。
 
04.珪藻土マットが僕に教えてくれたこと
 
めっちゃ悔しいけどめっちゃ気持ちいい曲。
ラップ部分のメロウなメロディと言葉と音楽が噛み合う感じ、めっちゃ気持ちいいけど聴けば聴くほど『何を言っているんだ…』ってなる。(メロウの意味もよくわからないまま使っています。何を言っているんだってなったらスミマセン。)
 
真面目な話。
おちゃらけ系の音も作れるし、こういうしっとりした音も作れるってのはホントに凄いなぁと思います。
知識無いからなんて言ったら良いかわかんない、感覚だけの話なんですけど、これまでの3曲は尖った音がよく聴こえて、珪藻土は耳に柔らかく聴こえる。
 
05.原付~法定速度の範囲で~
 
めちゃくちゃ好き。
サビの気持ち良さが半端ない。
すごく良いサビなのに、歌詞はちょっと意味が分からない。だのに「二段階 右折!」で意味も分からないまま盛り上がらせられる。
意味を考える間も無く、気づいたら『うっせつ!』『さっせつ!』と手を挙げている。
こういう曲、ツボです。
 
意味は分からんでも、やっぱり良い歌詞だな~と思う。
「法定速度の範囲で とばせ」とか、「法律遵守し今夜はどこまでもいこうか」とか、なんかカワイイ。
ムカつく事とかあってわーーってなって今夜は走りたい気分!!みたいになった時に、法定速度の範囲で夜の県道をどこまでも飛ばしたくなる感じ。この曲をかけて。
 
地元の県道は真っ直ぐだったんで、暴走族が毎晩レースに使ってましたけどね。一般道で100km出して法律遵守せずどこまでも行ってたけど、暴走族じゃなくても飛ばしたくなる夜がありますからね。うちらは法定速度の範囲で十分じゃい。
 
06.sweet memories
 
これも大好き。
歌いやすいサビがとっても楽しい。
すいすいすいすい↑すいすいすいすい→すいすいめもっりー!って歌いたくなるよね。
エモい音に乗せて「かわいいあの子が 放課後に俺の上履き食べてた」ってとんでもない歌詞が飛んできた。爆笑した。
 
音楽の話。
 
めちゃくちゃエモい。
前奏とか間奏のギターソロ、めちゃくちゃ良いですよね。
無いはずの学生時代の甘酸っぱい思い出があるような気がして胸が痛くなります。
無いんですけど。
 
 
07.はやく返してDVD
 
ティーーーーポイントカァァァァドォォォォォ!!!オモチデスカァァァァァァァーーーーーーーーーーッ!!!!!」
 
08.NO MONEY DANCE
 
"このCDから1曲どうしても選ばないと足の小指を折る"って脅されたらこの曲を選ぶかなぁ…。
好きな曲、たくさんあるんですけど、NO MONEY DANCEのサビのノリの良さとかちょっと皮肉の効いた歌詞とか、3人仲良い感じが1番好きかも。
PVみんなで「イェーーーーー!!」ってやるとこカワイすぎ。ホント好き。
 
「税金ばり高い!!!!!!!!!!!」それな。
これを外で大合唱したら気持ちいいだろうな。ほんまに高いんだもん。
 
演歌が売れたのは、『共感できるから』だとどこかで聞きました。
普通の人の、普通の苦しみ、悲しみを歌っているからだと。
これもそれに当てはまるんじゃないかなと思います。
結局、わめいたって税金は下がらないし色々辛いことも解決しないじゃないですか。
自分の力じゃどーしよーもない事をデカい声で代弁してくれて、一緒に歌わせてくれるNO MONEY DANCEは演歌と言っても過言ではないかもしれないですね。嘘です。過言です。ロックです。
 
09.げんきもりもり!モーリーファンタジー
 
タイアップ2個目。(モーリーファンタジー限定プライズ登場記念ソング)
カラオケで「森森森森森森森森森森森森森森森森」を速度調整無しで地声で歌い切るのが夢です。
 
友人にPVを見せたら『なんで”いい”なの?』って聞かれました。
"生(お)い"です。

 

 https://youtu.be/SG9LANYl1Tg 

 

10.日本の首都、そこは東京
 
ぼぼちゃん曲!
良い意味で他の曲と雰囲気が違いますよね。音楽のジャンルが違うのかな。
なんだかオシャレ。
 
11.はたちのうた
 
タイアップ3個目。(MBS/ちちんぷいぷい 20周年記念楽曲)
普通に良い曲。凄く良い曲。
 
「はたちのうた わたしのうた」って凄く良い歌詞だよね。
これから20歳になる人がとても羨ましい。
 
「そーゆー ことばっか あんたまだ ぐだぐだぐだ いっちゃって!」のとこも気持ちい。歌いたくなっちゃう。
 
「180まで!180まで生きてやる!」ここも気持ちいい。
アルバム1周した後だと、ラスト曲へのフラグにも感じられる。
 
20歳はとっくに過ぎちゃったけど、何歳でも「まだまだひよっこです!」の気持ちでいたい。そしてなるべく多くの日を「まだスタート地点 最強の幕開けを」と思って生きていきたいね。
 
12.癒着☆NIGHT
 
タイアップ4個目。(スプライト/CM楽曲)
単体で聴いてた時は普通のラブソングかなって思ってたけど、アルバムのこの位置に置かれていることで印象が変わりました。
サビの盛り上がり方、これはアルバム前半の盛り上がり方じゃないなぁって。また上手く言えなくて申し訳ないんですけど。
ただぱぁーっと盛り上がって終わるだけの曲じゃなくて、恥ずかしい文章になってしまうんですけど”愛への祈り”みたいな…。
"永遠にくっついている事は出来ないけど、なるべくくっついてる時間が長いと嬉しいよね、なるべく長くくっついていられますように"っていう願いのような。
(ネガティブすぎですかね・・・)
 
好きなフレーズは「You check it!check it!」と「ギター!」です。
歌詞見ないで聴いてたら「癒着」に聴こえるのが面白かったり、ふつーにギターって言ったらギター鳴り出すところとか、楽しくて好き。
他にも、全体的に言葉遊びに溢れてますよね。
わい!ゆー!がWhy?You?に繋がったり。
大人優しさ→大人なんやしさ→大人のいやらしさ(これも恋愛と企業癒着に掛けてて、言葉選びが凄いなぁって思います)に繋がったり。
 
ずっとそうだけど、ヤバTって語彙力がものすごくありますよね。
喋るのが上手な人は語彙力が豊かなイメージがあります。
関西出身の方のラジオを聴いてると、語彙力の豊富さにびっくりします。
 
でも語彙力が豊富でも、それを受け取る側にキャパシティが足りてないと意味が無いんですよね。
自分は中二病を発揮していた頃、無駄に難しい言葉を使って『喋ってると疲れる』と友人から言われた事があります。ごめん。完全にこっちが悪い。もしくは西尾維新が悪い。
ヤバTの歌詞が凄いのは、語彙力が豊富と言っても難しい言葉じゃなくて、誰にでも分かる色んな言葉を知ってる所だと思うんです。
"癒着"から"むちゃくちゃ"って言葉に普通繋がらんって。ほんで"むちゃくちゃにしたいねん"って素敵なラブソングに普通ならんって。素敵。
難しい言葉も易しい言葉も自在に使える、こういう所がヤバTはヤバい。
 
13.寿命で死ぬまで
 
「急に居なくなってもうたら みんなびっくりするから」
「無理はしないでよ 我儘を言ってよ いつでも電話掛けてよ
幸せに暮らしてくれるなら それだけでいいんだから」
ここのありぼぼちゃんの歌い方が、これまでの曲と全然違くて、切羽詰まるというか、凄く力強く感じて、何回聴いても必ずここで泣いてる。
なんて言えば良いのか、全然薄っぺらに聴こえない。
ちゃんと生きなきゃな、生きたいなって思える。
 
「自分の美学を磨く人生を全うしてな
格好ええなって 言い聞かしてな」
 「幾つになっても 勘違いされて 上手く出来ない
自分の拙さや衰えに 自分が誰より傷ついているでしょう」
これはこやまさんが自分にも言い聞かせてるんだろうか。
『気をつけなはれや』でも「自分の人生 自分で決めて 上手くやりなや」と歌っていた。
この歌詞も凄く好き。
シンプルだけど、自分の人生自分で決めるのって中々難しいと思うんです。
それでも、それが大事だよって変わらぬメッセージを歌い続けてくれる。
大事にしよう。
 
「生きて生きて生きて生きて生きておくれよ」
こやまさんの歌い方も、これまでの曲と違うなぁって思った。
楽しい曲いっぱい歌ってくれたけど、最後の曲だけは"楽しませよう"っていう気持ちより、シンプルにメッセージ。言いたい事を歌ってるって感じ。
・・・・・・泣きますわ・・・・・・
 
創作活動も同じ事の繰り返しの部分が少なからず有ると思います。
例えば、ヒット曲の歌手が求められるのは、そのヒットした曲を歌う事ですよね。
本当は他に歌いたい曲があっても、求められるもの=仕事としては、ずーっと同じ曲を、何度も何度も同じクオリティで歌う事ではないでしょうか。
飽きそう。
でも、それが仕事なんだと思います。
そして、それを飽きずに毎回新鮮な気持ちで届けられるのがプロなんじゃないかと思います。
それを繰り返し積み重ねるうちに、本当に歌いたい曲が歌えたりするんじゃないでしょうか…。
 
『寿命で死ぬまで』も、ヤバTがたくさんの仕事を積み重ねて来たから聴く事が出来たんだと思います。
たくさん、"楽しい"を作ってくれたから、"面白い"を届けてくれたから、ヤバTを応援したい人がたくさん出来て、おばあちゃんの事を知ってる人がたくさん居たから。
こんなにうちらに響いたんだと思う。
 

https://natalie.mu/music/pp/yabat10


だけどそれだけじゃなくって、これからの困難な時代を生きていかなくてはならない、うちらに向けたメッセージでもあると思いたい。
誰にも予測できないこの事態、ほんとにもしかしたら明日、大事な人が居なくなってしまうかもしれないし、自分が居なくなってしまうかもしれない。
音楽の力はまじで凄いって信じてる人達が「寿命で死ぬまで しっかり生きておくれ」と歌ってくれている。祈ってくれている。
 
「大きい声で歌った」
この歌詞も良いですよね。
これだけの語彙がある人が、めちゃくちゃにメッセージを込めた最後の曲の、最後のフレーズ。
グッとくる。
 
 あまりに素晴らしい曲のあまりに多くの繰り返し。
全国で繰り返して積み重ねる、彼らのデスクは日本列島。いずれは世界になるかもしれん。
お客さんの楽しそうな顔を直で見られる仕事ってのは、きっとやり甲斐に溢れているのでしょう。
 
その分といっちゃ難ですが、ヤバT仕事しすぎなんですよ。
このアルバムだけでタイアップ曲が4つもあって、現在進行形で全国ツアーやってて、テレビも出てて、レギュラーラジオ始まって、フェスやら学園祭やら出演して。
体壊さないか心配だよ。
無理しなや。
 
大変な仕事を積み重ねていると思う。
人を"楽しませ続ける"という仕事を。
凄いなぁってイヤホンを抜いて、自分の仕事に向き合う。
何かにもならない繰り返しの仕事が山積みになっている。
多分、自分は彼らの事が羨ましい。
 
 
ヤバTは仕事をし過ぎている。
良い仕事を。

海抜0m

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『完璧な庭』は"爽やかな鬱"と表現しましたが、こちらは純粋に"爽快"。

海という言葉も、爽やかさをイメージさせるしね。

 

「もう一度そこに行きたい、だけ」

「もう一度そこに行きたい 居させてきみの街に」

ここがね~~~凄く好きですね。

海に反射する光をイメージするような演奏。

晴れた日の海を見渡しているよう。

 

海抜0m、という事は主人公は海に浸かりながらビショビショに濡れながらこの歌を歌っているんだろうか。

空を見上げると彼女がはるか上の大きな橋に居る。

彼もかつては、同じ場所に居たのかな。

落っこちてしまったんだろうか。

 

だけど曲調から、絶望は感じさせない。

いつかまたそこに行けるだろう、確信と前向きな希望を感じる。

海の温度も、温かそうだ。

 

Peopleお得意の、サビで3つの楽器が一気にボルテージを上げる構成。

サビ前の「来るぞ…」というワクワクがこの曲でも。

他の曲でもそうですが、サビ前の「来るぞ…」という感覚はドラムの音が作ってくれてますよね。

ドラムの"用意はいいか?"と言ってるみたいな挑戦的な音、好きです。

 

歌詞はサビ以外は割と難解。

「支えきれない し降り止まない」

「今度は許されないのかな」

「今度は許されないから」

言葉遊びも光る。

しかし、何を表現しているのか、何を許されないのかは分からない。

分かるのは、もう一度きみの街に居させて欲しいという願い。

同じフレーズを繰り返すのは、Peopleの曲では結構少ない気がします。J-POPみたいじゃないか。

だからこそ印象に残る、「もう一度そこに行きたい、だけ」という思い。

 

本当は何を指しているのか、意図を明かされてみたい気持ちもある。

だけど聴いた人がそれぞれに"誰が""何が""どこへ"を想像する余地があることが、この曲がキャッチーに聴こえる理由かもしれない。

気持ちの良い曲です。

 

 

完璧な庭

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最初に聴いた曲は『ペーパートリップ』、1番好きな曲は『日曜日/浴室』、1番多く聴いた曲は『完璧な庭』です。

 

ほんっとにMV何回も見た。

衝撃だった。

鬱々とした雰囲気、描かれるイラストは可愛らしいのに全てが不穏さを含み、カップルは切り裂かれて血が流れる。なのに鳥達が飛び立つシーンは妙な爽やかさを伴い、この曲の主人公と思われる男性は心臓と地球を物憂げに両手に持つ。個人と世界とを右手と左手に、それぞれ。

それまで聴いていたバンドのMVって、メンバーの演奏シーン、あと少しの演出って感じのが多くって、アニメーションを使っている事や、ネガティブなモチーフが多い事や、演奏シーンが無いのに驚きました。

 

初めて再生した時は俳優さんだと思ったんですよ。(格好良すぎる・・・!!)と思って。

でもそれにしてはダルそうすぎるし椅子から動かなさすぎるし、サビの歌い方が爆発的で、抑えられないエネルギーが噴出するような感じが俳優っぽくないなぁと感じて、メンバー本人だと分かって納得しました。いやぁそれでも何回でも(格好良すぎる・・・!!)と思いますね。

中二病と言われてしまえばそれまでなんですけど、こういう、ダウナー系の感じね…好きなんですよね…。

 

MVも、音楽も、歌詞も、それまで聴いていたのとは全然違うもので、何と表現すればいいのか戸惑っていましたが、あるところで目にした、”爽やかな鬱”という表現がしっくり来ました。

良いよね。"爽やかな鬱"。

 

明るい曲や楽しい事は大好きだけど、それだけじゃ物足りないんですよ。

友達とワイワイ遊ぶのは大好きだけど、同じくらい1人で部屋に居る時間が欲しいんですよ。

『完璧な庭』、大好きで、友達に勧めたかったんだけど、周りに居るのはそういうタイプじゃなかった。

だから夜中に1人で部屋で、そっと再生していた。

 

「暇つぶしの公開処刑

「毎日、たった少し、ふたりは死んでいく」

「ほどいた糸のかわりに紡がれる 長い内蔵や言葉」

この辺の歌詞が本当に衝撃的でした。

皮肉の効いた形容、確信を突いた一文、文学的/抽象的な表現が多い中、内臓というリアルなフレーズで、現実に引き戻される感覚。

ラブソングは"永遠に一緒に居ようね♡"と歌うのに、"毎日ふたりは死に向かっていく"と真っ向からはたき落として否定するクールさ。

・・・・・・痺れましたわ・・・・・・

 

「きみの声はこの世界に」「朝の鳥は世の終わりに」の静けさから、楽器が一斉に鳴り出すサビも大好きです。

他の曲でも多分言ってるけど、3つの楽器がぴったり合うのがホントに凄いと思う。しかもライブでもぴったり合うのが凄まじい。

 

 

"完璧"という言葉を使うのって、凄くリスクが高いと思うんです。

自分は絶対に完璧な物を作ったり、完璧な仕事をする事は出来なくって、毎回ミスもするし塗り残しもするし。

でもこの曲は心の底から"完璧だ"と思う。憧れる。

 

纏まりがありませんね…。

正直、好きすぎて書き終われないので、ここらへんでやめておきます。

いや、逆にこの曲が"完璧"すぎて書く事が無いのかもしれない。

そういう事にしておこう!

 

 https://youtu.be/MsFohjWLKdI

 

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絵とか絵じゃない小噺とか

 

お陰様で全曲感想、今のところ毎週更新出来ており、多分購読数が0じゃないっぽいので、読んで貰えてるっぽいなー、とありがたく思っています。(ふわっとしててすみません…)

 

イラストが不穏な感じですけど、すっげぇ長いソーセージなだけですので!

怖くないので!!