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読む音楽 ライブ感想・曲感想など。使用している画像は全て自作です。 X:@tbk_pd

一度だけ

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最初の方だけ千葉県民向け感想。

千葉県民以外の方は飛ばして貰って大丈夫です。

 

【国道296号】

国道296号は、千葉県匝瑳市(そうさし)から船橋市に至る一般国道である。(Wikipediaより)

 

長らくぼーーっと聴いてるだけだったが、ある日296号線を調べてわーーってなりました。

千葉出身なんで、296号線はかなり使ってたんですよね。

船橋行く時の道か~!ってテンションめっちゃ上がりましたね。

 

しかしどうして296号線を歌詞に選んだんでしょうね。

語呂の良さでしょうかね。

それとも当時、住んでらっしゃったんですかね。

 

当時、その辺に住んでたとしたら嬉しいですね。

別に会いたいわけじゃないんだけど、自分の好きな芸能人とか俳優とか、出身地が近かったりすると嬉しいので。

(余談ですが地元がBUMP OF CHICKENの出身地に近い所なんです。メッチャ嬉しい。)

 

通ってる美容室の美容師さん(ジャニーズファン)が、『ジャニーズの誰かか、もしくは芸能人に会えるかもしれない』という理由だけで世田谷区の自動車教習所に通ってるらしいです。(美容院からは世田谷区はまあまあ遠い)

価値観はそれぞれですが、自分はめちゃくちゃその考え好きで、夢があって良いなぁと思います。

好きな人が近くにいるかもしれない、会えるかもしれないって思いながら生きるのはとても夢があって素敵だと思います。

まあ、今は自分も地元を離れ、かつて296号線の近くに住んでいたかもしれない人は香川県に行ってしまいましたが。

 

曲の話。

それまでの曲が凄まじい完成度で繰り広げられてきた分、シンプルさが際立つ。

歌声とギターとマラカス(?)だけ。

ノイズ交じりの音は優しい。

音楽が好きな友達が、家で録音した曲を自分にだけ聴かせてくれているような温かさがある。

ライブだと楽器が加わったり、色んなアレンジで全く違う曲に聴こえたりもするので、自由度が高いんだろうな。

ライブDVDの、タンバリンが大好きです。

みんな楽しそうにおのおのの楽器を演奏するところが好き。

 

歌詞の話。

「ぼくは戦争の本を読んだ 取り憑かれてしまった 残酷な 残虐な部屋に立って」

この歌詞大好きなんですよね。

さらって歌うから、むしろ爽やかささえ感じる。言ってる事はとんでもないんだけど。

小学校2年生の時に『昔、戦争というものがあった』と母親に教えられ、たくさんの戦争の本を読み、高校2年生の時に授業で731部隊の映画を見せられ、どうしようもない感情にずっと囚われていた。

自分の部屋の壁紙は白かったけれど、部屋で何度戦争について考えただろう。

この曲に出会えて本当に良かったと思う。

私が戦争について考える時、部屋は真っ赤に染まり、死体の姿が頭に浮かび、そこは残虐な部屋に変わる。

それを「取り憑かれてしまった」と表現してくれたこの曲が好きです。

 

何が「たった一度だけ」だったのか、答えは用意されていない。

「なんてことしたんだきみは」と洗濯機やガスコンロが驚いているが、何をしたのか名言されていない。

やっぱり、この曲もストーリーや意味の無い歌詞なんだろうな。

だけど全体を包むあたたかい雰囲気が、ステップを踏む少女が苦痛や悲しみを与えられていない事を感じさせる。

 

戦争という激しい言葉が使われているけれど、「少女は何も失わない」。

それはとても救いのあるストーリー。

無理矢理、ストーリーを汲むとしたら、"バースデイ"で独立した少女のアフターストーリーだろうか。それとも、"泥の中の生活"でなにもかもうまくいくと信じた蛙の女王の末路だろうか。もしくは、失業して自由になったクイーンの後日譚だろうか。

 

答えは用意されていない。

だから、何度も何度も再生ボタンを押しては不思議な物語に想いを馳せる。

一度だけでは終われない。

 

 

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絵の小噺

「誕生日おめでとう」という歌詞があるので、バースデイの時のお化けくんと、ネズミのお化けくんに再登場してもらいました。

 

お陰様でFrog Queenも無事に走り抜ける事が出来ました。

毎度読んで頂きありがとうございます。

他の事についての文章が書きたくなってしまい、全曲感想を少しお休みするか迷っています。

3連休の進捗によりますが、カワウソカフェに行く予定なのでカワウソの記事になったらすみません。

 

YouTubeの小噺

本当はやっちゃいけないアップロード、探したらあっちゃいました。

貼りはしませんけど、なぜかスペイン語字幕バージョンでした。

スペインにもファンが居るのかと思うと胸アツですね。

覚醒してCD屋で全買いするスペイン人が居る事を祈ります。

 

ペーパートリップ

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思い出話。

She Hates Decemberでも触れましたが、この曲がピープルとの出会いでした。

曲を聴いたのはニコニコ動画の『ペルソナ4』のMADが初めてですが、存在自体は当時Twitterでフォローしていた『邦楽歌詞bot』で知りました。

2000~2010年に活躍していたバンドの歌詞の一部を呟くだけのアカウントです。

ASISAN KUNG-FU GENERATION、ELLEGARDENフジファブリックとか、結構色んなバンドが呟かれていました。

その中で異質を放つ歌詞があって、「街に飛び散る光と闇 インクまみれの夢を見ようよ 空はなんて深い落とし穴だ 終わりのはじまりを見たいな」という一文。

「空はなんて深い落とし穴だ」という歌詞に惹かれて、ニコニコ動画(当時はYoutubeの名前も知らなくて、動画サイトといえばニコニコ動画だった)で検索してみたらあったんで聴いたら凄く良かった、って話です。

 

生来、ひねくれた性格なので、この逆説的というか、普通と違う事を言っている歌詞に凄く惹かれました。

でも驚いたのは、音楽はそれほどひねくれてなかった事です。

むしろ穏やかで爽やかなきらきらしたギターソロで始まり、Aパート、サビ、Bパート、サビ、Cメロ、ラスサビとはっきり分かれているので、聴きやすいというか、意外と普通のバンドなのかなと思いました。

また更に驚いたのは、歌詞を調べたら「きみの肌に針を立てて 体のなか旅をするのさ」と全然普通じゃなかった事。

なんだこの歌詞、今まで見た事ない。

ビビッと来てハマったわけではありませんでした。

好きというより、今まで出会った事の無いものに対する困惑や、興味、好奇心を抱いていました。

それでも嫌悪や警戒を感じなかったのは、音楽がとても綺麗だったから。

エネルギーがほとばしるように叩き込まれるドラム。

ベースはあんまり聴こえなかったけど、それは多分めちゃくちゃ上手いからなんだろうなと感じた。だって、ベースがちゃんとしてないとギターとドラムは合わないから。

そして先述のようにきらきらしているギターのフレーズ。

他の曲はどういう歌詞なんだろう。

意外と、この曲だけが変わってるだけで他の曲は普通かもしれない。

・・・普通だったら、つまんないな。

 

さんざん、MADを聴きまくった後、同じくニコニコ動画で”People In The Box”を検索すると3つぐらいメドレー動画があったんですよね。

(そのバンドを好きな人が、好きな曲を繋げた動画。Spotifyのマイリストみたいなもんかなぁ。)

 

5行前の心配に対する答えは、大丈夫です。

つまんなくなかったねー。

どの曲も歌詞が奇妙で、意味を読み取ろうとしても一筋縄ではいかず、何よりラブソングがほとんど無かった。(好きな人、ピープルをラブソングだと思って聴いてる方、すみません。ごめんね。)

 

ラブソングっぽいものはあるんだけど、分かりやすくはないというか、小説を読んでいるような、違う世界の話のように聴こえた。

それが多分、とても心地よかった気がする。

 

メドレーを聴きまくって聴きまくって、メドレーに入ってた曲を全部歌えるようになっちゃって、もっと聴きたくなって、そして当時バイトしていたCD屋で全買い(しかも、取り寄せ)に走ったのでした。

 

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絵の小噺

『MADのイメージで描きたい』とずっと思ってました。

もちろん、アップロードしてしまうのは悪い事なんですけど、これが無かったら出会う事も無かったので…。

マンガやアニメの二次創作やゲーム実況なんかもさ、本当はいけない事なんだけど、いけないけどやらないとこの心が抑えられん!!みたいなのが原動力というか、サブカルだと思うので…。

毎回上げるたびに思うけど、どうか関係者様に見つかってませんように。

 

 

youtu.be

 

 

 

 

 

六月の空を照らす

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『六月の空を照らす』

 

気持ちのいい曲です。

サビがハッキリしていて、テンポも分かりやすいので結構J-POP寄りなんじゃないかと思う。(Peopleの中ではね!)

後奏は絶対頭を振りたくなりますね。

ティッテイリ(パァン!) ティッティッティー(パァン!) テッテッテレンテ テッテッテー (ドッ タッ タァン↑)

ここですね。

 

J-POPと違うのは、やはりストーリーがあるようで無いような歌詞ですね。

待っている"君"がいるのに、"僕"はそれに驚いている。

とりあえず普通の恋愛じゃなさそうですね。

"君"が待っている事に対して驚いたり、吐きそうになったり。

"僕"はそれを歓迎していないようです。

 

「神々しく、柔らかく、まんまるな死がもたらされるならば

もうひとつだけ頭が欲しくなったんだ」

"僕"は苦しまずに死んで、もうひとつ頭が欲しいと望んでいます。

なぜなら"僕"の頭のネジは緩んでいるから。

"君"が待っていることに耐えられないのは、"僕"がマトモじゃないから。

もし"僕"の頭のネジがきちんと嵌っていたならば、ちゃんと"君"を歓迎できただろう。

 

おそらく、"僕"の頭のネジは緩んでいないけどね。

 

自分のせいなのに、それを頭のネジが緩んでるって事にして。

そんな、美しい責任転嫁の曲。

 

 

でも、自分も子供の頃"頭のネジが足りない"と言われた事があります。1回じゃなくてね。

同じように言われている子たちもいました。

そしてその子たちの事が、自分は好きでした。

頭のネジが足りない子たちは、物事を自由に考えていました。

自由な発想に癒されていた事を覚えています。

責任転嫁なんて言っちゃったけど、この曲の主人公のことも好きです。

別に良いじゃんねぇ。

みんなネジ締めすぎなんだよ。

少しは緩めたって大丈夫ですよ。

"大丈夫だ"って気づく頃には、雨も上がっているんじゃないかしら。

 

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絵の小噺

死ぬほど決まらんかった。

最終的に描き終わるまで2週間ぐらいかかって悔しかったので、ラフの一部を供養させてください。

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本当はダメなんだけど。

https://youtu.be/umBn8gPH8BA

 

ヒーローあらわる

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"""有明"""ガーデンシアター
10/14 LIVE (on the)SEAT 感想
 
・クローバー
斎藤くんと田淵の声が重なった瞬間、ライブを感じて 月並みな表現で使いたくないんだけど 泣いてしまった。
「君がここにいないことで
あなたがここにいないことで
回ってしまう地球なら別にいらないんだけどなあ」
いらないよね。
ああ、良い歌詞だな。
この歌にとっての「君」に「あなた」に、なっていると思いたい。
そう思ってしまって嫌だね。
 
 
・フルカラープログラム
「1万年前から置き去りにした言葉が 今」
待ち望んだ気持ちは1万年ぐらいあった!
「ふざけろ!いつか終わる
悲しみは どうか忘れないでよ」
もうね…
全てに対するメッセージに思えて感動しちゃって…
3月に田淵は“未来にロックバンドはちゃんと生きてる“と言ってくれた。
今日がその時から7ヶ月先の未来だった。
生きてたよ。
ふざけろ、もっと生きるよ。未来できっと!
 
・フィクションフリーククライシス
ライブで聴くの大好き。
「結局世界は僕が救うしかない!」
ここの無敵感よ。最強感よ。ヒーローか君たちは。
今回は特に。
見参を待ってたよ。
これからもせいぜい、救って欲しい。
なるべく頑張って、毎日絶望して生きるからさ。
 

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・世界はファンシー
 
人人人人人人_
> HAPPY <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄
斎藤宏介での遊び方を分かってらっしゃる。
こう歌って貰えばカッコよくなる、ここはハズした方が面白いって田淵が1番よくわかってる…敏腕プロデューサーか…
でも田淵本人も我慢できずに歌っちゃうところが良いよね。ニゾンスクエアガーデン。
あ、あ、あ、あーあ、ああああっに合わせて頭振るのすごく楽しい。
 
 
・君はともだち
「何も知らないやつに君のこと傷つけられてたまるか」
ドラムがひときわ響いて、自分の気持ちを代弁してくれてるようだった。ありがとう。
「見えないところで強く生きてる 気づいてるよ」
ありがとう。ロックバンドがここにいる。背中を押してくれる音楽がここにある。私はこれをロックバンドと呼ぶ。
会場にいる人みんな、毎日がんばって生きてるだろうな。
がんばったからライブに来たんだろな。
我々が明日も生きる元気をくれる音楽をロックバンドと呼ぶ。
・夏影テールライト
アルバムをまだ聴いてない。
だから歌詞は分からない。
純粋に音だけ聴いていた。
良い曲だった。
 
夏の終わりかけ、夕暮れ、花火の日が近い
そんな事を連想した。
音だけで何かを表現する曲が好きだ。
 
サビで、「やたらキラキラした音が鳴ってんなぁ。どの楽器だろう?」と思って舞台を見たら田淵と貴雄のコーラスだった。それに気づいた瞬間、すっごいワクワクした。楽器じゃないんだ!って。
みんなが今歌っている夏の終わりかけは寂しいものじゃなくって、キラキラしている。
今日も夕焼けが綺麗で、隣を走っていく車のテールライトが美しい。
それだけでいい、夏の夕暮れ。
 
・phantom joke
頭振るの気持ちいーい!
歌詞はほぼ聞き取れないけど、それでいーい!
爆音の激流に身を任せて体を動かしてるだけで楽しーい!
激流の中ハッキリ聴こえる「この空の先を見たい」も良いですよね〜。キメ台詞というか。気持ちいーい!
ほんでよくこんな速い曲演奏できるなー。すご。
 
・ライドオンタイム
「今宇宙に乗っかって ぐるぐる回るんだ
惑星たちはダンサンブル」
地球みたいな青い照明が綺麗だったなぁ。
みんな手を挙げていて楽しかった。
 
・harmonize finale
必要なのは分かってるんだけど、ピアノの録音がちょっと好きじゃなくて、3人で演奏してる感が薄れてしまう気がして。
でもドラムの音がデカすぎてピアノが全然聴こえなかった笑
なんだか気持ちが通じたようで嬉しかった。
ドラム、アツかったなぁ…
「この3人の音だけで良いんだよ!!」って言ってるみたいですごく良かった。
「ありがとう、ありがとう
またここから始まってく」
ありがとうはこっちだ…
 
実際は、「君」や「あなた」は「音楽」や「ライブ」を指しているんじゃないだろか。
演奏が終わっていくのを感じながら、そんなふうに思った。
ライブに対するラブソング。
「ずっと続けば良いな でも
終わりが近づいてるのも分かるよ」
「さよなら さよなら
またここから始まってく」
自粛期間に入ってから、初めての会場ライブだった。
また次があるかは分からない。
当たり前のように開催されていた時は薄れていた高揚感。
音楽は、ライブは本当に凄い力を持っているんだ。
1音、1音を本当に取り零したくなかった。
オンラインライブも主流になってきたし、新しい音楽の楽しみ方としてこれから先もやっていくだろう。
ここから新しい時代が始まっていくんだろう。
だけど会場の空気、エネルギー、自分でコントロールできないステップやハンズクラップ。
それらはオンラインでは感じられなかった。
やっぱり生で見るのって、違うんだろうな。
だからこそ、これから先にまたチャンスがあるなら、また生で見る事が叶うなら。叶ってくれ。
心底願ってしまう。
 
ライブが好きだ。
大好きだ。
ヒーローはライブハウスにあらわると言うなら、こちらが会いに行くしかないじゃないか。
何度だってUNISON SQARE GARDENに救われたいんだから。
 

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泥の中の生活

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「音楽で遊んでんなー」って感じが強くして、大好きな曲。
静かに入って、結局轟音で終わるのが好き。
優等生のフリをしてるけど内側の凶暴性を結局隠し切れなかった、みたいな。ギャップとか二面性のある人、好きなんですよね。人じゃないけど。
でも最後の爆音セッション(?)、音がズレないで気持ちいいとこにピタッとハマるのが凄い。
3人の息が合ってるからこそ出来る事なんだろうな。
 
歌詞中に、やっと「Frog Queen」という単語が出て来ますね。
なんとなく、「隣の国」や「何もかも上手くいくわ」って女王様の事を歌っているようにも読めるけど、「数学好きの哲学者と居酒屋で会った」りしてるので、庶民っぽさが女王らしくない笑
 
自分が衝撃を受けたのは「1+1+1+1+…」という歌詞。これ歌詞か?って思った。いまだに疑問。
(Frog Queen以降も、これ歌詞か?ってなる素敵なフレーズがたくさん出てくるのですが、まあ、そのたんびに言うと思います。)
しかしてやっぱり、音楽と合わせると「いちたす」という発音がすごく気持ちよく聴こえるんですよね。
子守唄のように「いちたす、いちたす、いちたす…」と優しい声が届く中、静かに「Good Night.」と告げられると、お楽しみ爆音セッションタイム。寝かせる気無いやろ。
 
やがて凪のように、静かなメロディへ戻る。
温かい泥に包まれる事は安寧だ。
おそらく二度と出る事は叶わないけれど。
傷ついた女王を温かい泥に沈めて曲は終わる。
後には女王も数学者も居ない。
泥の海が何事も無かったかのように凪いでいる。
 
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絵の小噺
カエルを着てる人は誰をイメージしてるかって言ったら、明確なモデルがいるんですけど…
伝える自信が無いので誰とは言いません…
もし、ファンアートでも受け入れて貰えるなら、そっち方面の絵も描きたいと思ってます。
でもファンアートって色々繊細なジャンルだと思うんですよ。
いまいち勇気が出ない。
そもそもこのブログ見てくれてる人いるのかも分からない。
見られてないブログでそんな悩む事か?ってまた悩む。
うーーーーーーーーーーむ。
 
 

失業クイーン

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アルバムで唯一、“Queen”という言葉が使われている曲。
どんな曲かと聞かれたら、これは”優しい曲“だと答えたい。
 
クイーンなのに、彼女は失業してしまった。
兵隊を率いる女王が失業してしまったら、何になるんだろう。
 
「あんなに世界を呪っても 虚しいだけだった」
「聴いて 憎しみの芽が奏でる音を」
どうやら彼女は不当解雇のようだ。
引きずり降ろされたクイーン、世は王政から民政へ。
 
「棺の並んだ廊下にきみはいた
近くて遠いところに立っていた」
「見て ただまっすぐに彼女の眼を」
彼女は激昂も拒絶もせず、静かに運命を受け入れている。
蟻の兵隊たち、おそらくかつて臣下だった者たちが跪いた彼女を取り囲む。
 
彼女を「見て」いる者がいる。
彼女と一緒に水中で、出来るだけ長く息を止めていた者だろうか。
臣下だったろうか、家族だったろうか、助言を与える誰かだったろうか。
どんな立場にあったとしても、おそらく傍観する事しかできなかったんだ。
傍観しかできなかったから彼女は失業してしまったんだ。
こういう風に言うと、無責任な者の仕業に聞こえる。
だけど、傍観者は見捨てる事はしない。
失業してクイーンでなくなっても、彼女のことを見つめ続けているから。
ただの失業者になった彼女に寄り添って、「もう手を汚さなくていいよ」と慰める。
 
考えてみれば、仕事とは手を汚す事の連続かもしれない。
自分の利益のためには他人の利益を奪わなくてはならない。
利益の奪い合いこそ経済だ。
優しい彼女は汚したくない手を無理矢理、汚してきたんだ。
 
「もういいよ」と寄り添い言葉をかけてくれる傍観者も、とても優しい人なんだと思う。
どうか、社会から見捨てられた気持ちになっている人に、この曲が寄り添いますように。
 
 

バースデイ

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ライブだと、福井さんがベースを持ち上げる。短く爪弾く。ノイズ混じりのその音はいつも「鳥の声みたいだ」と思っていた。

だいたい最後の方にやるから、終わりの曲という印象がある。これが始まったら、終わり。

鳥の声の中、「今日はどうもありがとう」と短いMCが入る。演奏という森の中を彷徨っていた我々を出口へ案内するアナウンスだ。夢から醒ますみたいに。

 

「オーケストラ、騒げ 今日は

きみのバースデイ」

誕生日を祝う歌。オーケストラもやって来て、盛大だ。

かなぐり捨てるように歌われる「バイオリン、コントラバスチェロ、ティンパニ、ホルン」たちがオーケストラの荒々しさを伝えている。

生まれた事を祝うというよりも、「独立記念日を祝福しているからだろうか。

 

独立。

1人で生きていく事を決めた。

十分、祝福に値する出来事だけど曲に漂う不穏さが拭えない。

外では妄信者が怒り、トランペットからは血が流れ出している。

中にいる主人公は何か、悪い事をしてしまったんだろうか。

独立は悪い事だったんだろうか。

 

でも、もうしてしまった独立は覆せない。

だから盛大に祝われる。ただ、祝われる。

バイオリンもコントラバスもチェロもティンパニもホルンもトランペットも鳴らないこの曲は代わりに、ギターとベースとドラムが祝福する。

ドラムが扉を強く強くノックしたら、「1、2、3、4、5、6、7」で全ての音が洪水となって流れ出す。独立者の体に流れる熱い血潮のように。

 

あとはもう、熱い音楽が暴れ回るだけだ。

身を任せてステップを踏んでしまって。

森から出る事を拒むように、独立者である私達は小さな小屋の中で頭を振り続ける。

曲が止まってからやっと、息を止めて聴いていた事を知る。

体が熱いのは、酸欠のせいなのかステップを踏み続けたせいなのか、音楽の興奮か。

再び呼吸をすれば、生きるが始まる。

吸い込む空気の静謐さが、生まれ変わった事を教えてくれる。

 

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