最初に聴いた曲は『ペーパートリップ』、1番好きな曲は『日曜日/浴室』、1番多く聴いた曲は『完璧な庭』です。
ほんっとにMV何回も見た。
衝撃だった。
鬱々とした雰囲気、描かれるイラストは可愛らしいのに全てが不穏さを含み、カップルは切り裂かれて血が流れる。なのに鳥達が飛び立つシーンは妙な爽やかさを伴い、この曲の主人公と思われる男性は心臓と地球を物憂げに両手に持つ。個人と世界とを右手と左手に、それぞれ。
それまで聴いていたバンドのMVって、メンバーの演奏シーン、あと少しの演出って感じのが多くって、アニメーションを使っている事や、ネガティブなモチーフが多い事や、演奏シーンが無いのに驚きました。
初めて再生した時は俳優さんだと思ったんですよ。(格好良すぎる・・・!!)と思って。
でもそれにしてはダルそうすぎるし椅子から動かなさすぎるし、サビの歌い方が爆発的で、抑えられないエネルギーが噴出するような感じが俳優っぽくないなぁと感じて、メンバー本人だと分かって納得しました。いやぁそれでも何回でも(格好良すぎる・・・!!)と思いますね。
中二病と言われてしまえばそれまでなんですけど、こういう、ダウナー系の感じね…好きなんですよね…。
MVも、音楽も、歌詞も、それまで聴いていたのとは全然違うもので、何と表現すればいいのか戸惑っていましたが、あるところで目にした、”爽やかな鬱”という表現がしっくり来ました。
良いよね。"爽やかな鬱"。
明るい曲や楽しい事は大好きだけど、それだけじゃ物足りないんですよ。
友達とワイワイ遊ぶのは大好きだけど、同じくらい1人で部屋に居る時間が欲しいんですよ。
『完璧な庭』、大好きで、友達に勧めたかったんだけど、周りに居るのはそういうタイプじゃなかった。
だから夜中に1人で部屋で、そっと再生していた。
「暇つぶしの公開処刑」
「毎日、たった少し、ふたりは死んでいく」
「ほどいた糸のかわりに紡がれる 長い内蔵や言葉」
この辺の歌詞が本当に衝撃的でした。
皮肉の効いた形容、確信を突いた一文、文学的/抽象的な表現が多い中、内臓というリアルなフレーズで、現実に引き戻される感覚。
ラブソングは"永遠に一緒に居ようね♡"と歌うのに、"毎日ふたりは死に向かっていく"と真っ向からはたき落として否定するクールさ。
・・・・・・痺れましたわ・・・・・・
「きみの声はこの世界に」「朝の鳥は世の終わりに」の静けさから、楽器が一斉に鳴り出すサビも大好きです。
他の曲でも多分言ってるけど、3つの楽器がぴったり合うのがホントに凄いと思う。しかもライブでもぴったり合うのが凄まじい。
"完璧"という言葉を使うのって、凄くリスクが高いと思うんです。
自分は絶対に完璧な物を作ったり、完璧な仕事をする事は出来なくって、毎回ミスもするし塗り残しもするし。
でもこの曲は心の底から"完璧だ"と思う。憧れる。
纏まりがありませんね…。
正直、好きすぎて書き終われないので、ここらへんでやめておきます。
いや、逆にこの曲が"完璧"すぎて書く事が無いのかもしれない。
そういう事にしておこう!
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絵とか絵じゃない小噺とか
お陰様で全曲感想、今のところ毎週更新出来ており、多分購読数が0じゃないっぽいので、読んで貰えてるっぽいなー、とありがたく思っています。(ふわっとしててすみません…)
イラストが不穏な感じですけど、すっげぇ長いソーセージなだけですので!
怖くないので!!